建築士試験 解説ノート

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令和6年度 一級建築士 法規 No.12を解説、RC造高さ31m・地下部分の地震力計算の誤りを見抜くポイント

令和6年度 一級建築士試験 学科III(法規)No.12は、RC造・高さ31mの建築物における許容応力度等計算・保有水平耐力計算・限界耐力計算に関する問題です。

この問題では、4つの記述のうち、建築基準法上、誤っているものを選びます。

この問題で問われていること

  1. 地下部分の地震力は係数kで計算するか地震層せん断力係数で計算するか(令88条4項)
  2. 許容応力度等計算で確かめる層間変形角(令82条の2)
  3. 保有水平耐力計算を行う場合に剛性率の確認が必要か(令82条の6)
  4. 限界耐力計算で安全性を確かめれば保有水平耐力計算は不要か(令81条)

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その4つの記述で問われている論点を整理したものです。

正解:選択肢1(これが誤っている記述)

令第88条(地震力)第4項は、建築物の地下部分に作用する地震力の計算を定めています。地下部分の地震力は、固定荷重と積載荷重の和に令第88条第4項の係数(k)を乗じて求めるんです。

この「k」は、地上部分で使う「地震層せん断力係数(Ci)」とは別の概念です。kは地下深さに応じて低減される係数で、地表面では0.1、深さ40m以下では0になります。地下部分はkで計算するので、「地震層せん断力係数を乗じて計算する」とした選択肢1は誤りということです。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ×(誤り) 地下部分の地震力は令88条第4項の係数kで計算します。「地震層せん断力係数(地上部分の計算式)を乗じる」とした記述は誤りです。
2 ○(正しい) 許容応力度等計算では、地上部分の各階の層間変形角が所定の数値(1/200等)以内であることを確かめる必要があります(令82条の2)。正しい記述です。
3 ○(正しい) 保有水平耐力計算を行う場合、剛性率(6/10以上)の確認は不要です(令82条の6の適用除外)。「確かめなくてもよい」は正しい記述です。
4 ○(正しい) 限界耐力計算で安全性を確かめた場合には、保有水平耐力計算の実施は不要です(令第81条)。「行わなくてもよい」は正しい記述です。

選択肢1は、「所定の式に適合する地震層せん断力係数を乗じて計算しなければならない」とする点が誤りで、地下部分の地震力は令第88条第4項に定める係数kによる計算です。

選択肢1のポイント

令第88条第4項(地下部分の地震力)は、地下部分の各部分に作用する地震力を「固定荷重と積載荷重の和」に「係数k」を乗じて計算するものと定めています。

この係数kは「k = 0.1(1 − H/40)Z(Hは地盤面からの深さ、Zは地震地域係数)」の形で、深さが増すほど小さくなる低減係数なんです。

一方の「地震層せん断力係数」は地上部分の計算(令第88条第1項)で使う概念(Ci = Z・Rt・Ai・Co)で、地下部分のkとは別物です。ですから「地震層せん断力係数を乗じる」とした選択肢1は誤りということです。

覚え方

  • 地震力 → 地上部分はCi(Z・Rt・Ai・Co)、地下部分は別の低減係数k(0.1(1−H/40)Z)
  • 保有水平耐力計算で適用除外 → 剛性率(6/10以上)・帯筋比は不要。耐力壁の厚さ12cm以上は除外されない
  • 限界耐力計算で安全性を確認すれば → 保有水平耐力計算は不要(令81条)
Q.

建築物の地下部分に作用する地震力の計算では、地震層せん断力係数(Ci)を用いるか。

いいえ。地下部分の地震力は令第88条第4項に定める係数k(地下深さに応じた低減係数)を用いて計算します。地震層せん断力係数(地上部分の計算式)は用いません。

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出典

  • 建築技術教育普及センター「令和6年度 一級建築士試験 学科の試験 学科III(法規)問題」
  • 建築基準法施行令第88条(地震力)
  • 建築基準法施行令第82条の2・第82条の4・第82条の6(構造計算の方法)
  • 建築基準法施行令第81条(構造計算の方法)
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編集・解説

建築士試験 解説ノート編集部

建築業界の実務経験をもとに、一級・二級建築士試験の「法規」を過去問から整理しています。運営者情報

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