建築士試験 解説ノート

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令和6年度 一級建築士 法規 No.11を解説、保有水平耐力計算でも耐力壁12cm以上は除外されない理由

令和6年度 一級建築士試験 学科III(法規)No.11は、高さ4m超の建築物における保有水平耐力計算・限界耐力計算を行う場合の構造規定の適用除外に関する問題です。

この問題では、4つの記述のうち、建築基準法上、誤っているものを選びます。

この問題で問われていること

  1. 保有水平耐力計算で柱の帯筋比0.2%以上が適用除外になるか(令82条の6・令73条)
  2. 保有水平耐力計算で耐力壁の厚さ12cm以上が適用除外になるか(令78条の2)
  3. 限界耐力計算で高力ボルト間の中心距離(径の2.5倍)が適用除外になるか(令68条)
  4. 限界耐力計算で柱出すみ部の異形鉄筋のかぎ状定着が適用除外になるか(令73条2項)

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その4つの記述で問われている論点を整理したものです。

正解:選択肢2(これが誤っている記述)

令第82条の6(保有水平耐力計算の方法)では、保有水平耐力計算で安全性を確かめる場合に適用除外となる規定が列挙されています。

ところが令第78条の2(RC造耐力壁の構造)第1項第1号の「耐力壁の厚さは12cm以上」は、その適用除外リストに入っていないんです。保有水平耐力計算を行っても耐力壁12cm以上は守る必要があるので、「12cm以上としなくてもよい」とした選択肢2は誤りということです。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(正しい) RC造で保有水平耐力計算の場合、柱の帯筋比0.2%以上(令73条)は適用除外となります(令82条の6)。「0.2%以上としなくてもよい」は正しい記述です。
2 ×(誤り) RC造で保有水平耐力計算の場合でも、耐力壁の厚さ12cm以上(令78条の2)は適用除外になりません。「12cm以上としなくてもよい」は誤りです。
3 ○(正しい) S造で限界耐力計算の場合、高力ボルト等の相互間の中心距離(径の2.5倍以上・令68条)は適用除外となります。「2.5倍以上としなくてもよい」は正しい記述です。
4 ○(正しい) RC造で限界耐力計算の場合、柱の出すみ部分の異形鉄筋のかぎ状折り曲げ定着(令73条第2項ただし書き)は適用除外となります。「定着しなくてもよい」は正しい記述です。

選択肢2は、「保有水平耐力計算によって安全性を確かめる場合、耐力壁の厚さは12cm以上としなくてもよい」とする点が誤りで、この規定は保有水平耐力計算でも適用除外になりません。

選択肢2のポイント

令第78条の2第1項第1号(RC造耐力壁の厚さ:12cm以上)は、令第82条の6の適用除外リストに含まれていないんです。一方、選択肢1の帯筋比0.2%以上(令73条)は適用除外に入っています。

ザックリ言えば、「帯筋比のように計算で安全を確認できるものは除外できるが、耐力壁の厚さのような最低寸法の基準は保有水平耐力計算を行っても守る必要がある」ということなんです。ですから「12cm以上としなくてもよい」とした選択肢2は誤りです。

覚え方

  • 保有水平耐力計算で適用除外になるもの(令82条の6) → 帯筋比(令73条)など
  • 除外にならないもの → RC造耐力壁の厚さ12cm以上(令78条の2)。最低寸法は常に必要
  • 感覚 → 「計算で確認できるものは除外OK/寸法の最低基準は除外不可」
Q.

RC造建築物で保有水平耐力計算を行う場合、耐力壁の厚さ12cm以上の規定は適用除外になるか。

なりません。令第82条の6の適用除外リストに令第78条の2(RC造耐力壁の厚さ)は含まれていないため、保有水平耐力計算を行っても12cm以上の厚さは引き続き必要です。

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出典

  • 建築技術教育普及センター「令和6年度 一級建築士試験 学科の試験 学科III(法規)問題」
  • 建築基準法施行令第82条の6(保有水平耐力計算を行った場合の適用除外)
  • 建築基準法施行令第78条の2(RC造耐力壁の構造)
  • 建築基準法施行令第73条(RC造の鉄筋の継手及び定着)
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編集・解説

建築士試験 解説ノート編集部

建築業界の実務経験をもとに、一級・二級建築士試験の「法規」を過去問から整理しています。運営者情報

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