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令和6年度 一級建築士 法規 No.29を解説、物品販売店舗の直通階段は全て避難階段以上にしなければならない理由

令和6年度 一級建築士試験 学科III(法規)No.29は、第一種住居地域に建つ地上4階建て(避難階は1階)・延べ4,000m²の複合用途建築物(1階:飲食店+物品販売店舗、2〜4階:物品販売店舗)に関する総合問題です。

この問題では、4つの記述のうち、建築基準法その他の法令の規定の適用に関して誤っているものを選びます。

この問題で問われていること

  1. 第一種住居地域に建つ大規模な物品販売店舗に必要な特定行政庁の許可(法48条7項等)
  2. 太陽光発電設備による容積率超過の特例(省エネ法36条等)
  3. 物品販売業の3階以上に通ずる直通階段を全て避難階段以上にするか(令122条2項)
  4. 自動火災報知設備による防火区画の代替(令112条等)

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その4つの記述で問われている論点を整理したものです。

正解:選択肢3(これが誤っている記述)

令第122条第2項は、物品販売業を営む店舗(延べ面積合計1,500m²超・3階以上の各階に売場あり)について、各階の売場から避難階又は地上に通ずる直通階段のうち2以上を避難階段又は特別避難階段とし、かつこれらの直通階段はすべて避難階段又は特別避難階段としなければならないと定めています。

ですから3つの直通階段のうち1つを「避難階段でも特別避難階段でもない」ものにすることはできません。選択肢3は誤りで、設けた直通階段はすべて避難階段以上ということです。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(正しい) 第一種住居地域での物品販売業を営む店舗は特定行政庁の許可が必要な場合があります(法別表第2(ほ)・法48条7項ただし書き)。許可を受けることとした判断は正しいです。
2 ○(正しい) 太陽光発電設備の設置で容積率超過となる場合、「建築物エネルギー消費性能向上計画」の認定を受けることで容積率の特例が認められる場合があります(省エネ法36条等)。正しい判断です。
3 ×(誤り) 令122条第2項で物品販売業の直通階段はすべて避難階段以上にしなければなりません。1つを普通の直通階段にすることはできません。
4 ○(正しい) 1階の物品販売業を営む店舗と飲食店について、自動火災報知設備の設置で防火区画に代えることができる場合があります(令112条等の緩和規定)。正しい判断です。

選択肢3は、「直通階段を三つ設け、うち二つを「避難階段」とし、他の一つは「避難階段」及び「特別避難階段」のいずれにも該当しないものとする」とする点が誤りで、物品販売業の3階以上の売場に通ずる直通階段は全て避難階段以上にしなければなりません。

選択肢3のポイント

令第122条第2項(物品販売業を営む店舗の避難階段等)は、延べ面積1,500m²超・3階以上の各階に売場がある店舗について、各階の売場から避難階又は地上に通ずる直通階段のうち2以上を避難階段又は特別避難階段とし、かつ「これらの直通階段はすべて避難階段又は特別避難階段としなければならない」と定めているんです。

この「すべて」がカギで、問題の建築物(延べ4,000m²・2〜4階に売場あり)で直通階段を3つ設けるなら、その全てを避難階段または特別避難階段としなければなりません。ですから「うちの一つは避難階段でも特別避難階段でもない」とした選択肢3は誤りということです。

覚え方

  • 令122条2項(物品販売業の避難階段) → 2以上を避難階段以上に+設けた直通階段はすべて避難階段以上(後段)
  • 1,500m²超・3階以上に売場なら、直通階段3本なら全3本が避難階段以上
Q.

延べ面積1,500m2超・3階以上に売場がある物品販売業の建築物で、直通階段を3本設ける場合、そのうち何本を避難階段以上にしなければならないか。

3本すべてを避難階段又は特別避難階段としなければなりません(令第122条第2項後段)。2本だけでなく全部が対象です。

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出典

  • 建築技術教育普及センター「令和6年度 一級建築士試験 学科の試験 学科III(法規)問題」
  • 建築基準法施行令第122条(避難階段の設置)
  • 建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律第36条(建築基準関係規定の特例)
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編集・解説

建築士試験 解説ノート編集部

建築業界の実務経験をもとに、一級・二級建築士試験の「法規」を過去問から整理しています。運営者情報

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