令和7年度 一級建築士試験 学科III(法規)No.25は、バリアフリー法の規定に関する問題です。
この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。
※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その4つの記述で問われている論点を整理したものです。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ×(誤り) | 飲食店への用途変更では移動等円滑化経路(廊下・出入口・トイレ等を含む)まで基準に適合させる必要があります。「用途変更に係る部分のみ」は不足です(バリアフリー法第14条)。 |
| 2 | ○(正しい) | 客室150の新築ホテル(4,500m2)で車椅子使用者用客室の同一階に車椅子使用者用便房が設けられている場合、客室内への車椅子使用者用便房設置を省略できます(バリアフリー法第18条等)。正しい記述です。 |
| 3 | ○(正しい) | 案内所を設ける場合、移動等円滑化の措置がとられたEV等の配置を点字その他の方法で視覚障害者に示す設備は必ずしも設けなくてよい(バリアフリー法施行令第22条等)。正しい記述です。 |
| 4 | ○(正しい) | 老人ホーム(3,000m2新築)の移動等円滑化経路を構成する敷地内通路の傾斜路幅は、段に代わるものは120cm以上、段に併設するものは90cm以上(バリアフリー法施行令第15条等)。正しい記述です。 |
選択肢1の「当該用途変更に係る部分に限り、建築物移動等円滑化基準に適合させればよい」という記述が誤りで、移動等円滑化経路全体の適合が必要です。
既存の倉庫の一部を2,000m2の飲食店に用途変更する場合、バリアフリー法第14条により移動等円滑化基準への適合義務があります。
法第14条のただし書きでは「用途変更に係る部分以外の部分については適合させないことができる」としています。これは倉庫として残る部分については適合不要という意味です。
しかし、飲食店として使用する部分については、単に「変更した室」だけでなく、飲食店への移動等円滑化経路(出入口・廊下・便所等を含む)も含めて基準に適合させる必要があります。「用途変更に係る部分に限り(= 変更した室だけ)」という限定的な解釈では、この経路全体への適合要求を満たせない場合があるため誤りです。
既存倉庫を飲食店2,000m2に用途変更する際、バリアフリー法の適合義務はどこまで及ぶか。
飲食店として使用する部分とその部分への移動等円滑化経路(出入口・廊下・便所等を含む)まで適合が必要です。単に「変更に係る室のみ」では不足します(バリアフリー法第14条)。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月
正解:選択肢1(これが誤っている記述)
飲食店への用途変更では、変更した室だけでなくそこへの移動等円滑化経路(出入口・廊下・便所等)まで含めて基準に適合させる必要があります(バリアフリー法第14条)。選択肢1は用途変更に係る部分に限り適合させればよいと範囲を狭く解しており、ここが誤りなんです。