建築士試験 解説ノート

建築士試験 解説ノート
  1. HOME
  2. 過去問解説
  3. 一級建築士 計画
  4. 令和4年
  5. > No.3 建築物の形態・構造

令和4年度 一級建築士 計画 No.3を解説、建築物の構造形式に関する誤りを見抜くポイント

令和4年度 一級建築士試験 学科I(計画)No.3は、歴史的な建築物とその形態・構造的特徴に関する問題です。

この問題では、4つの組合せのうち、最も不適当なものを選びます。

この問題で問われていること

  1. パンテオン(ローマ)のコンクリート・レンガのドーム
  2. フィレンツェ大聖堂(ブルネレスキ)の大ドームの構造
  3. TWAターミナルビル(サーリネン)のRCシェル屋根
  4. ミレニアムドーム2000(ロジャース)の膜構造

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その4つの記述で問われている建築物と構造的特徴を整理したものです。

正解:選択肢2(これが最も不適当な記述)

フィレンツェ大聖堂(サンタ・マリア・デル・フィオーレ)の大ドームは、ブルネレスキが架けた八角形の二重殻ドームです。リブ(骨組)と水平方向の鎖状の補強で自立させています。選択肢2の「2つの半ドームと4つの巨大なバットレスで支えられている」は、別の建築(ビザンティンのドーム)に近い説明で誤りなんですね。

パンテオン・TWAターミナル・ミレニアムドームの記述は、いずれも正しい。フィレンツェ大聖堂は八角形の二重殻ドームと押さえましょう。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(適当) パンテオンの直径約43mのドームは、コンクリート・レンガを用い、上方へいくほど厚さが薄くなる。適当です。
2 ×(不適当) フィレンツェ大聖堂の大ドームは八角形の二重殻。「2つの半ドームと4つのバットレスで支持」は誤り。
3 ○(適当) TWAターミナルビルの屋根は、4本のY字柱脚に支えられた4枚のRCシェルで構成される。適当です。
4 ○(適当) ミレニアムドーム2000は、12本のマストの頂部からケーブルで吊られた膜構造ドーム。適当です。

選択肢2は、フィレンツェ大聖堂の大ドームを「2つの半ドームと4つのバットレスで支持」とする点が誤りで、実際は八角形の二重殻ドームです。

選択肢2のポイント

選択肢2は、フィレンツェ大聖堂(サンタ・マリア・デル・フィオーレ)の大ドームの構造についての記述です。ドームの支え方が論点です。

ブルネレスキが15世紀に架けたこの大ドームは、内側と外側の二重の殻からなる八角形のドームです。仮設の支保工(足場)に頼らず、リブ(骨組)と、ドームが外側へ開こうとする力を抑える水平方向の鎖(チェーン)状の補強によって、自立させた点が画期的でした。選択肢2の「東西の2つの半ドームと南北4つの巨大なバットレスで支えられている」というのは、ハギア・ソフィアのようなビザンティン建築のドームに近い説明で、フィレンツェ大聖堂の構造ではありません。

ザックリ言えば、フィレンツェ大聖堂=八角形の二重殻ドーム(半ドーム+バットレスではない)ということです。ドームの「支え方」を取り違える引っかけに注意しましょう。

覚え方

  • フィレンツェ大聖堂(ブルネレスキ)=八角形の二重殻ドーム(リブ+水平の鎖で自立)
  • 半ドーム+バットレスで支えるのはビザンティン(ハギア・ソフィア等)のドーム
  • パンテオン=コンクリ・レンガで上方ほど薄いドーム/TWA=RCシェル
  • ミレニアムドーム=マストからケーブルで吊る膜構造
Q.

フィレンツェ大聖堂の大ドームは2つの半ドームと4つのバットレスで支えている?

違います。フィレンツェ大聖堂の大ドームは八角形の二重殻ドームで、リブと水平方向の鎖状の補強で自立しています。半ドームとバットレスで支えるのはビザンティン建築のドームの特徴です。

令和4年 一級建築士 計画 過去問解説 一覧へ

出典

  • 建築技術教育普及センター「令和4年度 一級建築士試験 学科の試験 学科I(計画)問題」
建築士試験 解説ノート

編集・解説

建築士試験 解説ノート編集部

建築業界の実務経験をもとに、一級・二級建築士試験の「計画」を過去問から整理しています。運営者情報

Topへ >>