建築士試験 解説ノート

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令和5年度 一級建築士 計画 No.10を解説、MaaSの定義に関する誤りを見抜くポイント

令和5年度 一級建築士試験 学科I(計画)No.10は、MaaS・TOD・ITS・LRTなど、交通に関わる都市計画の用語の問題です。

この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

この問題で問われていること

  1. MaaSの定義
  2. TOD(公共交通前提の都市づくり)
  3. ITS(高度道路交通システム)
  4. LRT(次世代型の軌道系交通)

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その4つの記述で問われている論点を整理したものです。

正解:選択肢1(これが最も不適当な記述)

MaaS(Mobility as a Service)は、鉄道・バス・タクシー・シェアサイクルなど複数の交通手段をICTで統合し、検索・予約・決済を一括で行えるようにする「移動のサービス化」の概念です。利用者は1つのアプリで一連の移動を完結できます。

選択肢1の「自動車利用者の交通行動の変更を促し、道路交通の混雑を緩和する手法」は、TDM(交通需要マネジメント)の説明に近い内容です。MaaSの定義とは異なるため不適当なんですね。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ×(不適当) MaaSは複数の交通手段をICTで統合する移動サービスです。交通行動の変更で混雑を緩和する手法(TDM)とした記述は誤りで、不適当です。
2 ○(適当) TODは、公共交通機関の利用を前提とし、過度に自動車に依存しない持続可能な都市を実現する手法です。適当な記述です。
3 ○(適当) ITSは、最先端の情報通信技術で交通事故や渋滞などの道路交通の問題解決を図る交通システムです。適当な記述です。
4 ○(適当) LRTは、低床式車両や軌道・電停の改良で乗降の容易性・定時性・快適性に優れた軌道系交通システムです。適当な記述です。

選択肢1の「MaaSは、自動車利用者の交通行動の変更を促し道路交通の混雑を緩和する手法」という記述が誤りで、MaaSは複数の交通手段をICTで統合し検索・予約・決済を一括化する移動サービスです。

選択肢1のポイント

選択肢1は、MaaSに関する記述です。MaaS(Mobility as a Service)は「サービスとしての移動」。電車・バス・タクシー・自転車シェアなどバラバラだった複数の交通手段をICTで統合し、検索・予約・決済を一括で行えるようにする「移動のサービス化」の概念です。1つのアプリで一連の移動を完結できます。

ところが選択肢1の「自動車利用者の交通行動の変更を促し、道路交通の混雑を緩和する手法」は、時差出勤や相乗り促進などで交通需要を調整するTDM(交通需要マネジメント)の内容です。MaaSの定義とは異なり、ここが誤りです。

ザックリ言えば、MaaS=移動をサービスとして統合(検索・予約・決済を一括)/TDM=交通需要を調整して混雑緩和ということです。混雑緩和の話が出たらTDMを疑いましょう。

覚え方

  • MaaS=複数の交通手段をICTで統合し検索・予約・決済を一括化(移動のサービス化)/TDM=交通需要を調整して混雑緩和
  • TOD=公共交通前提の都市づくり/ITS=ICTで交通問題解決
  • LRT=低床式の次世代型軌道系交通
Q.

MaaSとはどんな概念?

鉄道・バス・タクシー・シェアサイクル等の複数の交通手段をICTで統合し、検索・予約・決済を一括で行えるようにする「移動のサービス化」の概念です。交通行動の変更で混雑を緩和する手法(TDM)とは異なります。

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出典

  • 建築技術教育普及センター「令和5年度 一級建築士試験 学科の試験 学科I(計画)問題」
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編集・解説

建築士試験 解説ノート編集部

建築業界の実務経験をもとに、一級・二級建築士試験の「計画」を過去問から整理しています。運営者情報

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