令和5年度 一級建築士試験 学科I(計画)No.9は、自動引戸のスイッチ位置・授乳室・車椅子使用者用客室・階段の明度差など、バリアフリーに関する問題です。
この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。
※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その4つの記述で問われている論点を整理したものです。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ×(不適当) | 自動式引戸の開閉スイッチは、開く戸に巻き込まれないよう戸先から離した位置に設けます。戸先に近い位置は操作しにくく、不適当です。 |
| 2 | ○(適当) | 大規模物販店舗で、授乳・おむつ替え室を男女ともにアクセスしやすい場所とし、施錠できる授乳個室を設けるのは適切です。適当な記述です。 |
| 3 | ○(適当) | 車椅子使用者用客室で、ベッドやキャビネットを可動式とし、レイアウトを変更しやすくするのは適切です。適当な記述です。 |
| 4 | ○(適当) | 階段で、段鼻と踏面の明度差が大きいものを選び、昇り始めから終わりまで色を統一するのは識別性の点で適切です。適当な記述です。 |
選択肢1の「開閉スイッチを引戸の戸先からできるだけ近い位置に設置」という記述が誤りで、自動式引戸のスイッチは開く戸に巻き込まれないよう戸先から離した位置に設けます。
選択肢1は、車椅子使用者用トイレの自動式引戸の開閉スイッチに関する記述です。自動引戸はスイッチを押すと戸が横にスライドして開くので、スイッチが戸先(戸が動いていく先端側)の近くにあると、開いてくる戸に手や車椅子が巻き込まれてかえって危険で操作しづらくなります。
そのため、スイッチは戸が開く方向とは反対側、つまり戸先から離した位置に設けるのが適切です。選択肢1は「戸先からできるだけ近い位置に設置した」としており、巻き込みの危険があって不適切。ここが誤りです。
ザックリ言えば、自動引戸のスイッチは、開く戸に巻き込まれない戸先から離した位置へということです。「スイッチは近いほうが便利」と早合点せず、動作をイメージして判断しましょう。
車椅子使用者用トイレの自動引戸のスイッチは、戸先に近づけるべき?
いいえ。開いてくる戸に巻き込まれないよう、戸先から離した位置に設けます。戸先に近いと操作中に戸が当たり、操作しにくく危険です。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月
正解:選択肢1(これが最も不適当な記述)
車椅子使用者用トイレの自動式引戸の開閉スイッチは、車椅子使用者が無理なく操作でき、かつ開いてくる戸に手や車椅子が巻き込まれない位置(戸先から離した位置)に設けるのが適切です。
選択肢1は「引戸の戸先からできるだけ近い位置に設置した」としていますが、戸先(戸が動く先端)に近いと、開く戸に巻き込まれやすく操作しにくくなります。スイッチは戸先から離して設けるべきなので、不適当なんですね。