建築士試験 解説ノート

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令和4年度 一級建築士 構造 No.13を解説、RC許容応力度計算に関する誤りを見抜くポイント

令和4年度 一級建築士試験 学科IV(構造)No.13は、鉄筋コンクリート構造の許容応力度計算に関する問題です。

この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

この問題で問われていること

  1. 突出長さ2m以下の片持ちバルコニーの鉛直震度割増
  2. 釣合い鉄筋比以下の梁での鉄筋種別の変更
  3. 梁の上端筋と下端筋の許容付着応力度の大小
  4. 耐力壁の短期許容せん断力の求め方

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その4つの記述で問われている論点を整理したものです。

正解:選択肢3(これが最も不適当な記述)

上端筋と下端筋の許容付着応力度の大小が逆なんです。梁の上端筋は、コンクリート打込み時のブリーディングや沈下によって鉄筋下面に空隙ができやすく、付着性能が劣ります

そのため、上端筋のコンクリートに対する許容付着応力度は、下端筋よりも小さい値を用います。選択肢3は「大きい値」としているので逆なんですね。上端筋の許容付着応力度は下端筋より小さいと押さえましょう。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(正しい) 突出長さ2m以下の片持ちバルコニーは鉛直方向の振動が励起されにくく、鉛直震度による割増しを行わなくてよい。正しい記述です。
2 ○(正しい) 引張鉄筋比が釣合い鉄筋比以下なら、引張鉄筋をSD345からSD390に変えると短期許容曲げモーメントを大きくできる。正しい記述です。
3 ×(誤り) 上端筋の許容付着応力度は、ブリーディングで付着が劣るため下端筋より小さい値を用いる。「大きい値」は逆。
4 ○(正しい) 耐力壁の短期許容せん断力は、「壁板の許容せん断力」と「側柱の許容せん断力」の和とする。正しい記述です。

選択肢3は、上端筋の許容付着応力度を下端筋より大きい値とする点が誤りで、正しくは上端筋のほうが小さい値を用います。

選択肢3のポイント

選択肢3は「梁の上端筋のコンクリートに対する許容付着応力度は、下端筋よりも大きい値を用いた」としています。上端・下端という位置の違いがポイントです。

コンクリートを打ち込むと、内部の水分が表面に浮き上がってきます(ブリーディング)。このとき、上側にある鉄筋(上端筋)は、その下面に水みちや空隙ができやすく、コンクリートとの密着が弱くなります。

一方、下端筋はコンクリートにしっかり包まれるので付着性能が高い。ですから、上端筋の許容付着応力度は下端筋より小さい値を用いるのが正しいわけです。位置による付着の差を覚えておくと、上下を入れ替えた引っかけを見抜けます。上端筋はブリーディングで付着が劣る=許容付着応力度は小さいと押さえましょう。

覚え方

  • 上端筋はブリーディングで付着が劣る → 許容付着応力度は下端筋より小さい
  • 片持ちバルコニーの鉛直震度割増は突出2m超で必要、2m以下は不要
  • 釣合い鉄筋比以下の梁は引張鉄筋の強度を上げる(SD345→SD390)と短期許容曲げを増やせる
  • 耐力壁の短期許容せん断力=壁板+側柱の許容せん断力の和

一問一答

Q.

梁の上端筋と下端筋では、コンクリートに対する許容付着応力度はどちらが大きい?

下端筋です。上端筋はブリーディングや沈下で付着が劣るため、許容付着応力度は下端筋より小さい値を用います。

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出典

  • 建築技術教育普及センター「令和4年度 一級建築士試験 学科の試験 学科IV(構造)問題」
  • 日本建築学会「鉄筋コンクリート構造計算規準・同解説」
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編集・解説

建築士試験 解説ノート編集部

建築業界の実務経験をもとに、一級・二級建築士試験の「構造」を過去問から整理しています。運営者情報

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