令和6年度 一級建築士試験 学科IV(構造)No.12は、鉄筋コンクリート造の定着・継手・圧縮主筋に関する問題です。
この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。
※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その4つの記述で問われている論点を整理したものです。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 梁主筋の定着性能を確保するために、梁端に曲げヒンジを想定する場合は引張強度を基準として柱せいを大きくする |
| 2 | ×(誤り) | ガス圧接継手は母材の引張強度を伝達できる継手とする。存在応力度を伝達できれば足りるとするのは誤り |
| 3 | ○(正しい) | 階により強度の異なるコンクリートを使用する場合、設計基準強度に応じた異なる単位体積重量を用いることができる |
| 4 | ○(正しい) | 梁の許容曲げモーメント算定において、圧縮力はコンクリートだけでなく圧縮側主筋も負担するものとできる |
選択肢2の「継手位置の存在応力度を伝達できる継手とした」という記述が誤りで、正しくは母材の引張強度を伝達できる継手とする必要があります。
鉄筋のガス圧接継手は、建築基準法施行令第73条の規定により、母材の引張強度を伝達できる継手としなければなりません。
「存在応力度を伝達できれば十分」という考え方は、現状の荷重条件だけを見ているため不十分です。地震時に予期せぬ大きな引張力が生じると、存在応力度基準の継手では断裂するリスクがあります。ザックリ言えば、継手は最悪の状況でも母材本体と同じだけの力に耐えられることが要求されているわけです。
一方、正しい肢を整理すると、梁端に曲げヒンジを想定する場合は梁主筋の引張強度を基準に柱せいを確保し(選択肢1)、階ごとに強度の異なるコンクリートはそれぞれの設計基準強度に応じた単位体積重量を用いてよく(選択肢3)、梁の許容曲げモーメントは圧縮側主筋の負担も算入できる(選択肢4)、という流れです。
鉄筋のガス圧接継手は、何を基準として伝達できる継手としなければならないか。
母材の引張強度。継手位置の存在応力度ではありません(令第73条)。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月
正解:選択肢2(これが最も不適当な記述)
鉄筋のガス圧接継手の基準が誤りなんです。ガス圧接継手は、継手位置の存在応力度ではなく、母材の引張強度を伝達できる継手とする必要があります。継手の性能は母材の引張強度が基準で、存在応力度だけを基準にすると最悪の荷重状況への備えが不十分になります。