令和4年度 一級建築士試験 学科IV(構造)No.23は、各種建築構造に関する問題です。
この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。
※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その4つの記述で問われている論点を整理したものです。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ×(誤り) | SRCのせん断は累加できない。鉄骨部分とRC部分がそれぞれ分担する応力で個別に検討する。「両者の和」は誤り。 |
| 2 | ○(正しい) | 柱梁接合部では、梁の鉄骨ウェブに帯筋を貫通させて配筋してよい。正しい記述です。 |
| 3 | ○(正しい) | 壁式RC構造は耐震壁で抵抗するため耐震強度は大きいが、靱性(粘り)はラーメン構造ほど期待できない。正しい記述です。 |
| 4 | ○(正しい) | 壁式RC造で階高が規定値を超える場合、層間変形角と保有水平耐力を確認する必要がある。正しい記述です。 |
選択肢1は、SRCのせん断を鉄骨とRCの許容せん断力の和で検定するとする点が誤りで、せん断は累加できず個別に分担させます。
選択肢1は、SRC造の柱の短期せん断について「鉄骨部分の許容せん断力とRC部分の許容せん断力の和が、設計用せん断力を下回らないものとする」としています。累加強度式をどこまで使えるかが論点です。
SRC造の柱は、内蔵した鉄骨とそれを包むRCが一体で働きます。許容曲げモーメントは、鉄骨の曲げ耐力とRCの曲げ耐力を足し合わせる累加強度式で評価でき、これは試験でもよく問われる基本です。
ところが、せん断は曲げほど素直に足し合わせられません。鉄骨とコンクリートではせん断の伝わり方が違い、単純に和をとると実際より大きく見積もってしまうおそれがあります。そこでSRCのせん断は、鉄骨部分とRC部分がそれぞれ受け持つ応力に対し、各々の許容せん断力で個別に確認します。SRCは曲げ=累加OK/せん断=累加NGと覚えておきましょう。
SRC造の柱のせん断は、鉄骨とRCの許容せん断力を足し合わせて検討してよい?
足し合わせられません。曲げは累加強度式で足せますが、せん断は累加できず、鉄骨部分とRC部分がそれぞれ分担する応力で個別に確認します。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月
正解:選択肢1(これが最も不適当な記述)
SRC造は、曲げは足し算できてもせん断は足し算できないんです。SRC造の柱の許容耐力は、鉄骨部分とRC部分の耐力を足し合わせる累加強度式で求めるのが基本です。ただし、これが使えるのは曲げモーメントの話です。
せん断に対しては、両者の許容せん断力を単純に足し合わせることができません。鉄骨部分とRC部分がそれぞれ分担する応力に対して、各々の許容せん断力を超えないことを確認します。選択肢1は両者の和で検定するとしているので誤りなんですね。SRCのせん断は累加できないと押さえましょう。