令和5年度 一級建築士 学科Ⅴ(施工)No.25は、工事請負契約・監理業務委託に関する問題です。
この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。
※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その4つの記述で問われている論点を整理したものです。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 発注者は著しく適当でない者がいる場合、監理者の意見に基づいて受注者に必要な措置をとることを書面で求めることができる。 |
| 2 | ×(誤り) | 契約不適合があった場合に監理者に対して修補の履行追完を請求できるとした。監理者は工事請負契約の当事者ではないため、修補請求の相手は受注者でなければならない。 |
| 3 | ○(正しい) | 監理業務委託契約で受託者に債務不履行があった場合、委託者が相当期間を定めて履行の催告をし、期間内に履行がないとき解除できる。 |
| 4 | ○(正しい) | 委託者及び受託者は協議で決定した事項について速やかに書面を作成し記名・押印する。 |
選択肢2の「監理者に対し書面をもって履行の追完を請求することができる」という記述が誤りで、正しくは受注者(工事施工者)に対して請求します。
選択肢2は、契約不適合があったときの履行追完(修補)請求の相手に関する記述です。工事請負契約は「発注者(建築主)」と「受注者(工事施工者)」の契約なんですね。
引き渡された目的物に契約不適合(欠陥・不具合等)があった場合、発注者は契約の相手方である受注者に対して修補等を請求します。監理者は設計者が行う監理業務の担当者で工事請負契約には関与しないため、修補を請求できる相手は契約の相手方だけなんです。
選択肢2は「監理者に対し履行の追完を請求することができる」としていますが、監理者は契約当事者でなく誤りです。ザックリ言えば、契約不適合の修補請求は受注者へ(監理者ではない)ということです。
引き渡された目的物に契約不適合があった場合、発注者は誰に修補を請求するか?
受注者(工事施工者)に請求します。監理者は工事請負契約の当事者ではないため修補請求の相手方にはなりません。
監理業務委託契約で受託者に債務不履行があった場合、解除はどのような手続きで行うか?
委託者が相当の期間を定めて履行の催告をし、その期間内に履行がないときに解除できます。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月
正解:選択肢2(これが誤っている記述)
民間(七会)連合協定「工事請負契約約款」では、目的物の契約不適合に対する修補等の履行追完請求は「受注者(工事施工者)」に対して行います。監理者は施工監理を行う立場であり、工事請負契約の当事者ではないため、監理者への修補請求は契約上根拠がありません。