建築士試験 解説ノート

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令和4年度 二級建築士 計画 No.9を解説、吸音・遮音に関する誤りを見抜くポイント

令和4年度 二級建築士試験 学科I(建築計画)No.9は、吸音・遮音に関する問題です。

この問題では、5つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

この問題で問われていること

  1. 壁の一部に透過損失の小さい部分がある場合の影響
  2. 中空二重壁の共鳴透過と空気層の厚さ
  3. 多孔質材料の吸音特性
  4. 吸音材料と遮音性能の関係
  5. 吸音率の定義

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その5つの記述で問われている論点を整理したものです。

正解:選択肢4(これが最も不適当な記述)

吸音は音のエネルギーを吸収して反射を減らすこと、遮音は音を透過させず向こう側に伝えないことで、別の性能です。多孔質の吸音材料はスカスカで軽いものが多く、音をよく通す(遮音性能は低い)こともあります。選択肢4の「吸音材料は透過率が低いので遮音性能は高い」は誤りなんですね。

透過損失・共鳴透過・多孔質材料・吸音率の記述は、いずれも正しい。吸音と遮音は別もの(吸音材=遮音できるとは限らない)と押さえましょう。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(適当) 壁の一部に音響透過損失の著しく小さい部分があると、壁全体の透過損失は著しく小さくなる。適当です。
2 ○(適当) 中空二重壁の共鳴透過は、壁間の空気層を厚くすると共鳴周波数が低くなる。適当です。
3 ○(適当) 多孔質材料は、一般に低音域よりも高音域の吸音に効果がある。適当です。
4 ×(不適当) 吸音材料は音を通すこともあり遮音性能が高いとは限らない。「透過率が低いので遮音性能は高い」は誤り。
5 ○(適当) 吸音率は、「内部に吸収される音」と「透過する音」の和を「入射する音」で除したもの。適当です。

選択肢4は、吸音材料が「透過率が低いので遮音性能は高い」とする点が誤りで、吸音材料は音を通すこともあり遮音性能が高いとは限りません。

選択肢4のポイント

選択肢4は、吸音材料と遮音性能の関係についての記述です。吸音と遮音を同じものと見てよいかが論点です。

吸音は、壁に当たった音のエネルギーを材料の中で熱に変えて、反射してくる音を減らすことです。グラスウールなどの多孔質材料は、細かい隙間で音を吸収するので吸音率は高くなります。一方遮音は、音を反対側に通さないことで、一般に重くて密実な材料(コンクリートなど)のほうが有利です。

多孔質の吸音材料はスカスカで軽いものが多く、音そのものは通り抜けてしまう(透過しやすい)ことがあります。つまり、吸音率が高くても遮音性能が高いとは限らないわけです。選択肢4は「吸音材料は透過率が低い→遮音性能が高い」としていますが、吸音と遮音を取り違えているので誤りですね。

ザックリ言えば、吸音(反射を減らす)と遮音(透過を防ぐ)は別ものということです。「吸音材=遮音材」と考えると引っかかります。

覚え方

  • 吸音=反射を減らす/遮音=透過を防ぐ=別の性能(吸音材が遮音できるとは限らない)
  • 多孔質材料は高音域の吸音に効果・軽くて音を通しやすい
  • 遮音は重く密実な材料が有利(質量則)
  • 中空二重壁は空気層を厚くすると共鳴周波数が低くなる
Q.

吸音材料は遮音性能も高い?

とは限りません。吸音は反射を減らすこと、遮音は透過を防ぐことで別の性能です。多孔質の吸音材は音を通すこともあり遮音性能が高いとはいえません。

出典

  • 建築技術教育普及センター「令和4年度 二級建築士試験 学科の試験 学科I(建築計画)問題」
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編集・解説

建築士試験 解説ノート編集部

建築業界の実務経験をもとに、一級・二級建築士試験の「計画」を過去問から整理しています。運営者情報

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