令和4年度 二級建築士試験 学科I(建築計画)No.25は、環境・省エネルギーに配慮した建築・設備計画に関する問題です。
この問題では、5つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。
※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その5つの記述で問われている論点を整理したものです。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ×(不適当) | 電力損失を減らすには配電電圧を高く設定する(電流が減る)。「低く設定した」は逆で誤り。 |
| 2 | ○(適当) | 窓の断熱性能を高めて年間熱負荷係数(PAL*)の値を小さくするのは省エネに有効。適当です。 |
| 3 | ○(適当) | 排水再利用設備で、洗面・手洗い排水を浄化して再利用水とするのは適当です。 |
| 4 | ○(適当) | CASBEEのBEEを高めるには、環境負荷Lを小さく・環境品質Qを大きくする。適当です。 |
| 5 | ○(適当) | 設備機器をライフサイクルアセスメント(LCA)により評価し選定するのは適当です。 |
選択肢1は、配電線路の電力損失低減のために「配電電圧を低く設定した」とする点が誤りで、電圧を高くすると電流が減り損失を減らせます。
選択肢1は、配電電圧と配電線路の電力損失の関係についての記述です。電圧を高くするか低くするかが論点です。
電線で生じる電力損失(ジュール熱)は、「電線の抵抗 × 電流の2乗」で決まります。一方、送る電力は「電圧 × 電流」なので、同じ電力を送る場合、電圧を高くすればその分だけ流す電流を小さくできます。電流が小さくなると、2乗で効いてくる電力損失は大きく減ります。これが、送配電で電圧を高くして送る理由です。
選択肢1は「配電電圧を低く設定した」としていますが、これでは同じ電力を送るのに電流が増え、電力損失はむしろ大きくなります。向きが逆なので誤りですね。
ザックリ言えば、電圧を高くすれば電流が減り、電力損失(抵抗×電流²)が減るということです。「損失は電流の2乗で効く」と覚えましょう。
配電線路の電力損失を減らすには配電電圧を低くする?
逆です。電圧を高くすれば同じ電力でも電流が小さくなり、電流の2乗で効く電力損失を減らせます。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月
正解:選択肢1(これが最も不適当な記述)
配電線路の電力損失は、電流の2乗に比例します(損失=抵抗×電流²)。同じ電力を送るなら、配電電圧を高くすれば電流が小さくなり、電力損失を減らせます。選択肢1の「配電電圧を低く設定した」は逆で誤りなんですね。
PAL*・排水再利用・CASBEEのBEE・LCAの記述は、いずれも正しい。電力損失低減には配電電圧を高く設定すると押さえましょう。