令和4年度 二級建築士試験 学科III(建築構造)No.17は、鉄骨構造の接合に関する問題です。
この問題では、5つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。
※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その5つの記述で問われている論点を整理したものです。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 普通ボルトと溶接を併用する継手は、ボルトに初期すべりがあるため全応力を溶接で負担する。正しい記述です。 |
| 2 | ○(正しい) | 隅肉溶接のサイズは、一般に薄いほうの母材厚さ以下の値とする。正しい記述です。 |
| 3 | ○(正しい) | 高力ボルトのボルト孔の中心間距離は、ねじの呼び径の2.5倍以上とする。正しい記述です。 |
| 4 | ○(正しい) | 隅肉溶接の有効のど厚は、一般に隅肉サイズの0.7倍とする。正しい記述です。 |
| 5 | ×(誤り) | 柱の継手は存在応力を伝え、かつ部材の許容耐力の1/2以上とする。「1/3を超える」では不足。 |
選択肢5は、継手の耐力を部材の許容耐力の1/3を超える耐力とする点が誤りで、正しくは1/2以上です。
選択肢5は「柱の継手の接合用ボルト、高力ボルト及び溶接は、原則として、継手部の存在応力を十分に伝え、かつ、部材の各応力に対する許容耐力の1/3を超える耐力とする」としています。継手に必要な耐力が論点です。
鉄骨では、継手や仕口が母材より先に壊れると一気に崩壊しかねません。そこで、柱・梁の継手は「その部分に実際に生じる存在応力を伝えられること」に加えて、「部材の各応力に対する許容耐力の1/2以上の耐力をもつこと」が求められます。応力が小さい部分でも、最低限の余裕(1/2)を確保しておく考え方です。
選択肢5はこれを「1/3を超える」としており、必要な余裕より小さいため誤りです。「継手は許容耐力の1/2以上」という数値を押さえておきましょう。柱・梁の継手の耐力は部材の許容耐力の1/2以上と覚えましょう。
柱・梁の継手は、部材の許容耐力の何分の1以上の耐力が必要?
1/2以上です。存在応力を伝えることに加え、許容耐力の1/2以上の耐力を確保します。「1/3を超える」では不足です。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月(出題時点の知識・基準に基づく)
正解:選択肢5(これが最も不適当な記述)
柱や梁の継手は、その部分に生じる存在応力を十分に伝えること、かつ、部材の各応力に対する許容耐力の1/2以上の耐力をもつことが求められます。選択肢5の「1/3を超える耐力」では足りません。
地震時などに継手で先に壊れないよう、継手にはある程度の余裕(1/2以上)が必要なんです。選択肢5は1/3としているので誤りなんですね。柱・梁の継手の耐力は部材の許容耐力の1/2以上と押さえましょう。