令和6年度 二級建築士試験 学科III(建築構造)No.18は、建築物の耐震設計、構造計画等に関する問題です。
この問題では、5つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。
※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その5つの記述で問われている論点を整理したものです。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 一次設計(稀な地震で損傷しない)と二次設計(極めて稀な地震で崩壊しない)から構成されます。正しい記述です。 |
| 2 | ○(正しい) | RC造は、躯体にひび割れが発生するほど剛性が下がり固有周期が長くなります。正しい記述です。 |
| 3 | ×(誤り) | 重心と剛心が一致していればねじれ振動は生じません。ねじれの原因は偏心で、剛性率が小さい階は変形が集中します。 |
| 4 | ○(正しい) | 鉄骨造は、極めて稀な地震に対し、鋼材の塑性化を許容しつつ保有耐力発揮まで接合部が破断しないことを確認します。正しい記述です。 |
| 5 | ○(正しい) | 木造軸組構法で床の面内強度・剛性を高めるには、厚物の構造用合板を張るなどの方法があります。正しい記述です。 |
選択肢3の「重心と剛心が一致しているが剛性率0.6未満の階があるとねじれ振動が生じて損傷を受けやすい」という記述が誤りで、重心と剛心が一致していればねじれ振動は生じません。
選択肢3は「各階で重心と剛心の位置が一致しているが、剛性率が0.6未満の階がある場合には、地震時にねじれ振動が生じて損傷を受けやすい」としていますが、ここが誤りです。重心と剛心が一致していれば偏心がなく、ねじれ振動は生じないんです。
ねじれ振動は、平面内で重心(質量の中心)と剛心(剛さの中心)の位置がずれている(偏心している)と生じますね。地震力は重心に作用し、建物は剛心を中心に回ろうとするので、両者がずれるとねじれて回転します。重心と剛心が一致=偏心なし=ねじれなし。一方、剛性率が0.6未満の階(周囲より柔らかい階)はその階に変形・損傷が集中しやすくなりますが、これは層ごとの硬さのアンバランスによるもので、ねじれとは別の現象です。選択肢3は原因を取り違えているんです。
誤りの核心は、偏心がないのにねじれ振動が生じるとした点です。ねじれは偏心が原因、変形集中は剛性率の問題と押さえましょう。
重心と剛心の位置が一致していれば、ねじれ振動は生じる?
生じません。ねじれ振動の原因は偏心(重心と剛心のずれ)です。剛性率が小さい階は変形・損傷が集中しますが、それはねじれとは別です。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月(出題時点の知識・基準に基づく)
正解:選択肢3(これが最も不適当な記述)
建築物の各階で重心と剛心の位置が一致していれば、偏心がないため、ねじれ振動は生じません。剛性率が0.6未満の階があると、その階に変形・損傷が集中しやすくはなりますが、それは「ねじれ振動」ではなく層の変形集中によるものです。ねじれ振動の原因は、重心と剛心のずれ(偏心)です。
選択肢3は「ねじれ振動が生じて」としているので、誤りなんです。ねじれ振動は偏心が原因(重心と剛心が一致なら生じない)と押さえましょう。