杭基礎は一級建築士 構造のNo.20・21で毎年1問出ます。問われるのは杭種ごとの支持力の大小・群杭・負の摩擦力・水平地盤反力係数です。大小や正誤を逆にして誤りを作るので、まず杭種の特徴を仕分けます。
| 杭種 | 先端支持力 | 周面摩擦力 |
|---|---|---|
| 打込み杭 | 大(最大) | 小 |
| 埋込み杭 | 中 | 中 |
| 場所打ちコンクリート杭 | 小 | 大(最大) |
いちばんの引っかけがこの大小です。先端支持力は打込み杭が最大、周面摩擦力は場所打ち杭が最大。打込み杭は打撃で先端の地盤を締め固めるため先端が強く、場所打ち杭は杭周面が地盤になじむため周面摩擦が大きくなります。
| 項目 | 覚えるポイント |
|---|---|
| 水平地盤反力係数と変位 | 反力係数が大きいほど、杭頭の水平変位は小さい。反力係数は杭径が大きいほど大きい |
| 液状化のおそれ | 水平地盤反力係数を低減して設計する |
| 群杭 | 沈下は単杭より群杭のほうが大きい。群杭の支持力・反力係数は単杭の総和より小さい |
| 杭先端の許容応力度に用いるN値 | 先端付近の平均値とし、60を超えるときは60とする |
| 引抜き抵抗力 | 杭の有効自重(自重から浮力を減じた値)を考慮できる |
| 論点 | 正しい記述(○)と、よくある誤り(×) |
|---|---|
| 先端支持力の大小 | ○ 打込み杭が最大/× 場所打ち杭が最大 |
| 負の摩擦力 | ○ 軟弱地盤の圧密沈下で下向き(押し込み)に作用し、支持杭で問題になる/× 上向きに作用する |
| 水平地盤反力係数と変位 | ○ 反力係数が大きいほど水平変位は小さい/× 反力係数が大きいほど水平変位は大きい |
| 群杭の沈下 | ○ 単杭より群杭のほうが沈下は大きい |
| 負の摩擦力の低減 | ○ 杭表面に潤滑材を塗布すると摩擦力を低減できる |
先端支持力は打込み杭、周面摩擦は場所打ち杭。負の摩擦力は下向き・押し込みで支持杭が要注意。群杭は「沈下は大きく、支持力は単杭の合計より小さい」。水平地盤反力係数は「大きいほど変位は小さい・液状化なら低減」で揃えます。
杭先端の地盤の許容応力度は、一般に、打込み杭より場所打ちコンクリート杭のほうが大きい。〔R5 No.20〕
×。先端支持力は打込み杭のほうが大きい(打撃で先端地盤を締め固めるため)。周面摩擦のほうは場所打ち杭が大きく、ここを取り違えさせる定番です。
長い杭において、水平地盤反力係数が大きいほど、杭頭の水平変位は大きくなる。〔R7 No.20〕
×。逆です。地盤が固い(反力係数が大きい)ほど、杭頭の水平変位は小さくなります。
杭1本当たりの鉛直荷重が等しい場合、杭の沈下量は、一般に、単杭より群杭のほうが大きい。〔R5 No.20〕
○。群杭は杭どうしの応力が地盤の中で重なるため、同じ1本当たりの荷重でも沈下は単杭より大きくなります。
| 年度 | No. | 正解 | 主に問われた論点 |
|---|---|---|---|
| 令和7年 | 20 | 3 | 水平地盤反力係数と杭頭の変位・曲げモーメント |
| 令和6年 | 21 | 3 | 杭基礎・直接基礎の設計 |
| 令和5年 | 20 | 3 | 杭種ごとの支持力の大小・群杭の沈下 |
| 令和4年 | 21 | 3 | 杭基礎 |
| 令和3年 | 20 | 4 | 地盤の沈下(即時・圧密・液状化) |
| 令和2年 | 21 | 3 | 基礎の設計 |
| 令和元年 | 20 | 4 | 杭基礎の設計 |
| 平成30年 | 20 | 2 | 基礎の設計(土質柱状図) |
| 平成29年 | 20 | 1 | 杭基礎 |
| 平成28年 | 19 | 2 | 杭の支持力 |
※ 過去10年分(平成28年〜令和7年)を確認。杭種ごとの支持力の大小・群杭・負の摩擦力・水平地盤反力係数が、毎年No.20前後でくり返し出題されています。令和5年以前の解説リンクは順次追加予定です。
出典・参考
※ このページの確認日:2026年6月