消防用設備は一級建築士 環境・設備のNo.18で、過去10年は毎年1問出ます。問われるのは、どの消火設備が何に向くか、感知器をどの場所に使うか、消防用水をどう算定するかです。引っ掛けは、設備と対象を取り違えさせる選択肢が多いです(厨房に煙感知器、電気室の消火に水、消防用水は敷地面積で算定、など)。まず消火設備から押さえます。
消火設備は、燃えるものや部屋に合わせて選びます。
| 設備 | 向いている対象 |
|---|---|
| 屋内消火栓 | 人による初期消火。 |
| スプリンクラー | 自動散水。閉鎖型は熱でヘッドが開く、開放型は一斉開放弁で全ヘッドから放水(舞台部など)。 |
| 泡消火 | 油(液体燃料)火災。駐車場・自動車整備場など。 |
| 不活性ガス・粉末 | 電気室・通信機械室など水を避けたい場所。粉末は負触媒効果。 |
ガス系消火は酸素濃度を下げるため、人のいない(無人を前提とする)場所に使います。
自動火災報知設備は、感知器・受信機・発信機などで構成します。感知器は場所に合わせて選びます。
煙感知器は廊下や階段など、熱(定温式)感知器は厨房やボイラー室など、煙や蒸気が出て誤報しやすい場所に向きます。
連結送水管や非常コンセント、排煙設備は、消防隊の活動を助ける「消防活動上必要な施設」です。連結送水管は、公設消防隊が消火活動に用いる設備で、1階の送水口に消防ポンプ車で送水して使います。
消防用水は、消防ポンプ車が吸い上げて使う水源です。必要な水量は、建築物の床面積を区分に応じた面積で割った値で算定します(敷地面積ではありません)。
過去10年で繰り返された論点を、正しい記述(○)と引っ掛け(×)で並べます。
| 記述 | ○× |
|---|---|
| 開放型スプリンクラー設備は、一斉開放弁を開いて放水区域内の全ヘッドから散水する | ○ |
| 不活性ガス・粉末消火設備は、電気室や通信機械室など水損を避けたい場所に用いる | ○ |
| 連結送水管は、公設消防隊の消火活動用で、1階の送水口に消防ポンプ車で送水して使う | ○ |
| 厨房やボイラー室の火災感知には、煙感知器を用いる | × |
| 消防用水の必要貯水量は、敷地面積に区分に応じた係数を乗じて算定する | × |
| 泡消火設備は、電気室の消火に最も適している | × |
| 不活性ガス消火設備は、酸素濃度を下げて消火するため、常時人がいる事務室に常用する | × |
×を正しく直すと、厨房・ボイラー室は熱(定温式)感知器(煙感知器は廊下・階段)/消防用水は床面積で算定(敷地面積でない)/泡は油火災向きで電気室はガス系・粉末/ガス系は無人を前提とする場所に用いる、です。
消防用設備は、消火設備の使い分け・感知器・消防用水から毎年No.18で問われています。正解番号は建築技術教育普及センターの公表正答によります。
| 年度 | No. | 正解 | 論点/解説 |
|---|---|---|---|
| 令和7年(2025) | 18 | 4 | 消防用設備等(消防用水・開放型SP・連結送水管) |
| 令和6年(2024) | 18 | 4 | 消火設備 |
| 令和5年(2023) | 18 | 2 | 自動火災報知設備(感知器) |
| 令和4年(2022) | 18 | 3 | 防災設備(排煙・非常用照明等)※解説は順次追加予定 |
| 令和3年(2021) | 18 | 4 | 消防用設備等 ※解説は順次追加予定 |
| 令和2年(2020) | 18 | 3 | 消防用設備等 ※解説は順次追加予定 |
| 令和元年(2019) | 18 | 4 | 防災設備 ※解説は順次追加予定 |
| 平成30年(2018) | 18 | 2 | 防災設備 ※解説は順次追加予定 |
| 平成29年(2017) | 18 | 2 | 防災設備 ※解説は順次追加予定 |
| 平成28年(2016) | 18 | 2 | 防災設備 ※解説は順次追加予定 |
厨房の火災感知には、煙感知器が適切?
適切ではありません。厨房は煙や蒸気で誤報しやすいため、熱(定温式)感知器が向きます。煙感知器は廊下・階段などに使います。
消防用水の必要水量は、敷地面積に係数を掛けて求める?
違います。建築物の床面積を区分に応じた面積で割った値をもとに求めます。敷地面積ではありません。
開放型スプリンクラーは、火災を感知したヘッドだけが放水する?
違います。開放型は一斉開放弁を開いて放水区域内の全ヘッドから同時に放水します(舞台部など)。熱で個別に開くのは閉鎖型です。
出典・参考
※ このページの確認日:2026年6月
まちがえやすいポイント
厨房やボイラー室の感知には熱(定温式)感知器を使います。煙や蒸気で誤報しやすいため、「厨房に煙感知器」は誤りです。
消防用水の必要水量は床面積をもとに算定します。「敷地面積に係数を掛ける」は誤りです。ガス系消火は酸素濃度が下がるため、在室者のいる事務室での常用には向きません。