電気設備は一級建築士 環境・設備のNo.16〜17で、過去10年は毎年2問前後出ます。問われるのは、受変電と力率といった効率と、接地・雷保護といった安全です。引っ掛けは、効率指標の大小を逆にしたり、接地や雷保護の区分を取り違えさせる選択肢が多いです。まず受変電と力率から押さえます。
一定規模以上の建物は高圧で受電し、変圧器で低圧に下げて使います。屋外に置けるキュービクル式が省スペースで使われます。
力率は、見かけの電力(皮相電力)に対する実際に使える電力(有効電力)の割合です。1に近いほど効率的で、進相コンデンサを入れて遅れ力率を改善します。
接地(アース)は、漏電による感電や火災を防ぐためのものです。電圧の高さなどでA〜D種に分かれます。
| 種別 | 対象 |
|---|---|
| A種 | 高圧・特別高圧の機器の鉄台など |
| D種 | 300V以下の低圧機器。住宅の照明・コンセントはD種 |
外部雷保護システムは、保護効率の高さで保護レベルⅠ〜Ⅳの4段階に分かれます。Ⅰが最も厳しく、Ⅳが最も緩い設定です。
だから、危険物施設のように重要度が高いものほど、厳しいレベル(Ⅰ)を選びます。受雷部の保護方法には、保護角法・回転球体法・メッシュ法があります。
停電に備えて、非常用照明や誘導灯には非常電源(蓄電池など)を確保します。誘導灯の区分は、表示面の大きさ(見やすさ)でA級・B級・C級に分かれます。非常コンセント設備は、消防隊の消火活動のため単相100V・15A以上を供給できるものとします。
航空機の安全のため、高さ60m以上の建築物などには航空障害灯を設けます。
過去10年で繰り返された論点を、正しい記述(○)と引っ掛け(×)で並べます。
| 記述 | ○× |
|---|---|
| 力率は1に近いほど効率がよく、配電線の損失(送電損失)が小さくなる | ○ |
| 住宅のコンセント(低圧300V以下)の接地は、D種接地工事である | ○ |
| 外部雷保護システムは、保護角法・回転球体法・メッシュ法から選択する | ○ |
| 航空障害灯は、原則として高さ60m以上の建築物等に設置が義務づけられる | ○ |
| 雷保護システムは、重要度の高い建築物ほど最も緩い保護レベルⅣで計画する | × |
| 進相コンデンサを設けると、力率は悪化する | × |
| 住宅のコンセントの接地は、A種接地工事とする | × |
×を正しく直すと、雷保護は重要度が高いほど厳しいⅠで計画する(Ⅰが最も厳しい)/進相コンデンサは遅れ力率を改善する/住宅コンセント(低圧300V以下)の接地はD種、です。
電気設備は、受変電・力率・接地・雷保護・防災電源から毎年No.16〜17で2問前後が出ています。正解番号は建築技術教育普及センターの公表正答によります。
| 年度 | No. | 正解 | 論点/解説 |
|---|---|---|---|
| 令和7年(2025) | 16 | 2 | 電気設備(接地・雷保護・航空障害灯) ※No.17(正解1)電気設備も出題 |
| 令和6年(2024) | 16 | 4 | 電気設備 ※No.17(正解1)電気設備も出題 |
| 令和5年(2023) | 16 | 1 | 電気設備 ※No.17(正解2)電気設備も出題 |
| 令和4年(2022) | 17 | 2 | 電気設備 ※No.16(正解2)でJISの配線用図記号も出題 |
| 令和3年(2021) | 16 | 4 | 発電設備等(非常電源・コージェネ)※解説は順次追加予定 |
| 令和2年(2020) | 16 | 2 | 電気設備(電気方式・電圧降下の計算)※No.17(正解2)でも電気設備を出題 |
| 令和元年(2019) | 16 | 3 | 電気設備 ※No.17(正解1)でも電気設備を出題。解説は順次追加予定 |
| 平成30年(2018) | 16 | 2 | 電気設備 ※No.17(正解4)でも電気設備を出題。解説は順次追加予定 |
| 平成29年(2017) | 16 | 4 | 電気設備 ※No.17(正解1)でも電気設備を出題。解説は順次追加予定 |
| 平成28年(2016) | 17 | 4 | 電気設備 ※No.16(正解1)でも電気設備を出題。解説は順次追加予定 |
力率は、値が小さいほど送電効率がよい?
違います。力率は皮相電力に対する有効電力の割合で、1に近いほど効率的です。進相コンデンサで力率を改善します。
住宅のコンセント(低圧)の接地は、A種接地工事?
違います。住宅のコンセントは300V以下の低圧なのでD種です。A種は高圧・特別高圧の機器に施します。
重要度の高い建築物は、最も緩い保護レベルⅣで雷保護を計画する?
違います。保護レベルはⅠが最も厳しく、Ⅳが最も緩いです。重要度が高いものほど、厳しいレベル(Ⅰ)を選びます。
出典・参考
※ このページの確認日:2026年6月
まちがえやすいポイント
力率は1に近いほど効率的です。「力率は小さいほどよい」は逆で誤りです。住宅のコンセントの接地はD種で、A種(高圧用)ではありません。
雷保護の保護レベルは重要度が高いものほど厳しいⅠを選びます。「重要度の高い建物を最も緩いⅣで計画する」は誤りです。