建築士試験 解説ノート

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防火壁と防火区画の違い|防火壁が必要な建築物と1000㎡区画(一級建築士 法規)

防火壁とは、火災を一定の範囲で止めるため、建築物を区切る自立した壁です(建築基準法施行令113条)。防火区画(令112条)と名前が似ていますが、対象になる建築物が違います。

違いは、どの建築物にかかるかです。防火壁は耐火建築物・準耐火建築物以外で延べ面積が1000m²を超えるとき、防火区画は耐火建築物などの内部にかかります。

言いかえると、防火壁は「燃えやすい大きな木造などを、塊で分ける」ための規定です。試験では、対象の取り違えと面積の数値が狙われます。

防火壁と防火区画はどう違うのか

区分 防火壁・防火床(令113条) 防火区画(令112条)
対象 耐火・準耐火建築物以外で延べ面積1000m²超(主に大規模木造) 耐火建築物・準耐火建築物など主要構造部が定まった建築物の内部
区切り方 床面積1000m²以内ごと 面積・高層・竪穴・異種用途の4種
構造 耐火構造で自立。両端・上端を外壁面・屋根面から50cm以上突出 準耐火構造などの床・壁。建築物本体に依存
開口部 幅・高さ各2.5m以下で特定防火設備 特定防火設備または防火設備(区画の種類による)

防火区画は、すでに耐火・準耐火でできた建築物の中を、煙や火の回りを抑えるために区切ります。防火壁は、そうした耐火性能のない大きな木造などを、火災で全焼させないように塊で切り離します。役割が逆向きです。

防火床はなにが違うのか

防火床は、令和4年の改正で加わった区画方法です。木造の部分的な利用を進めるため、壁ではなくで1000m²以内に区切ることを選べるようにしたものです。求められる性能は防火壁と同じで、自立して延焼を止めることです。

上下階を床で切る点だけが防火壁と違い、対象や面積の考え方は共通です。

過去問10年でどう問われたか

一級建築士 法規(学科Ⅲ)では、防火区画(No.6〜7)や一般構造の問題で問われます。引っかけは「対象の取り違え」「面積の数値」「突出寸法」です。問題本文は公式PDFで確認できます。

問われ方 引っかけのパターン
対象建築物 耐火建築物にも防火壁が必要、と読ませる(耐火・準耐火は対象外)
区画面積 1500m²以内ごと、と防火区画の面積区画とすり替える
突出・自立 外壁・屋根からの突出を求めない、自立を不要とする

「対象は耐火・準耐火以外」「1000m²以内ごと」「50cm突出して自立」を組にして覚えると見抜けます。

まちがえやすいポイント

対象がいちばん狙われます。防火壁が必要なのは、耐火建築物・準耐火建築物以外で延べ面積1000m²を超えるときです。

「耐火建築物にも防火壁が必要」「1500m²以内ごとに区画」と書いてあれば誤りです。1500m²は防火区画の面積区画の数値で、別の規定です。突出50cm・自立も落としやすい点です。

理解度チェック

Q.

耐火建築物には防火壁が必要?

不要です。防火壁(令113条)は耐火建築物・準耐火建築物などを除いた建築物で、延べ面積が1000m²を超える場合にかかります。耐火建築物の内部は防火区画(令112条)で対応します。

Q.

防火壁は何m²以内ごとに区画する?

床面積の合計1000m²以内ごとです。1500m²は防火区画の面積区画の数値なので、取り違えに注意します。

まとめ

防火壁・防火床(令113条)は、耐火・準耐火建築物以外で延べ面積1000m²を超える建築物を、1000m²以内ごとに区切る規定です。耐火構造で自立し、外壁面・屋根面から50cm以上突出させます。耐火建築物の内部を区切る防火区画(令112条)とは対象も役割も違う、と押さえます。

出典・参考(一次資料で確認)

  • 建築基準法施行令第113条(木造等の建築物の防火壁等)。延べ面積1000m²超の建築物(耐火・準耐火建築物等を除く)を1000m²以内ごとに区画、耐火構造で自立、外壁面・屋根面から50cm以上突出、開口部は幅・高さ各2.5m以下で特定防火設備。条文本文はe-Govで確認。
  • 国土交通省「部分的な木造化を促進する防火規定の合理化(令和4年改正)」。防火床による区画の新設。
  • 建築技術教育普及センター「一級建築士試験 学科の試験 学科III(法規)問題」平成28〜令和7年。出題内容は公式問題に基づく。
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編集・解説

建築士試験 解説ノート編集部

建築業界の実務経験をもとに、一級・二級建築士試験の「法規」を条文と過去問から整理しています。運営者情報

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