建築士試験 解説ノート

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防火区画の種類|面積・竪穴・異種用途区画の違い(一級建築士 法規)

防火区画とは、火災を建物の一部に閉じ込め、ほかの部分へ炎や煙が広がるのを防ぐ、建物内部の仕切りです。建築基準法施行令112条で定められています。

防火区画は面積区画・高層区画・竪穴区画・異種用途区画の4種類です。それぞれ「何のために」「どの単位で」区切るかが違います。

試験で差がつくのは、4種類の対象と、区画に用いる建具が特定防火設備か防火設備かの対応です。

4種類の違い(対象・単位・用いる設備)

目的と区画の単位、使う設備を並べると整理できます。

種類 何を区切るか 用いる設備
面積区画 一定面積(1,500/1,000/500m²)ごとに区切り、火災を局所化 特定防火設備
高層区画 11階以上の部分を、内装に応じ100/200/500m²とより小さく 特定防火設備・防火設備(内装による)
竪穴区画 階段・吹抜け・エレベーター昇降路など縦に通じる部分を、他と区切り上階への延焼を防ぐ 防火設備(遮煙性能)
異種用途区画 法27条の特殊建築物の用途部分と、その他の部分を区切る 特定防火設備(遮煙性能)

「面積・異種用途は特定防火設備、竪穴は防火設備(遮煙)」が設備の分かれ目です。竪穴区画は煙の縦移動を止めるのが主目的なので、遮煙性能が重視されます。

各区画でおさえる要点

  • 面積区画=耐火・準耐火の種別で1,500/1,000/500m²。スプリンクラー等を設けた部分は、その床面積の1/2を区画面積に算入できる(実質、区画を大きくできる)緩和があります。
  • 高層区画=11階以上は、はしご車が届きにくいため面積をさらに細かく。内装の不燃化の程度で100/200/500m²が分かれます。
  • 竪穴区画=主要構造部を準耐火構造等とし、地階または3階以上の階に居室をもつ建築物で必要。階段・吹抜け・昇降路等が対象です。
  • 異種用途区画=令112条第18項。劇場・病院・店舗など法27条の用途部分とその他を分けます。

過去問10年でどう問われたか

一級建築士 法規(学科Ⅲ)では、ほぼ毎年No.6〜7で出ます。引っかけは「設備のすり替え」「面積・階の数値」「区画の対象」です。問題本文は公式PDFで確認できます。

年度・No. 問われ方/引っかけ
令和7年 No.7 防火戸(常時閉鎖型)の面積は3m²以内/不燃の吹抜は竪穴区画を要しない場合/防火区画検証法
令和6年 No.6 スプリンクラー部分の床面積緩和/防火壁・防火床の貫通部はモルタル等/木造1,000m²超の防火壁
令和元年 No.6 15階の300m²は100m²ごとに区画(高層区画)/自動車車庫130m²の異種用途区画/吹抜の竪穴区画
平成30年 No.6 昇降機の昇降路の竪穴区画/店舗と事務所の異種用途区画/一戸建ての吹抜の扱い

数値(1,500・100・3m²)と、区画ごとの設備(特定か防火設備か)を結びつけて読むと、どの肢も判断できます。

まちがえやすいポイント

狙われるのは設備の対応です。面積区画・異種用途区画は特定防火設備、竪穴区画は防火設備(遮煙)

「竪穴区画に特定防火設備が必須」「異種用途区画は防火設備でよい」と書いてあれば、設備のすり替えで誤りになりやすいです。面積区画のスプリンクラーによる1/2緩和も頻出です。

理解度チェック

Q.

防火区画の4種類は?

面積区画・高層区画・竪穴区画・異種用途区画です(令112)。面積を区切る・11階以上を細かく・縦穴を区切る・用途で区切る、と目的が違います。

Q.

竪穴区画と異種用途区画では、用いる設備が違う?

違います。竪穴区画は防火設備(遮煙性能)、異種用途区画は特定防火設備(遮煙性能)です。竪穴は煙の縦移動を止めるのが主目的です。

まとめ

防火区画は面積・高層・竪穴・異種用途の4種類で、対象・区画の単位・用いる設備が違います。面積区画と異種用途区画は特定防火設備、竪穴区画は防火設備(遮煙)が分かれ目です。試験では、設備のすり替え、面積(1,500/500m²)やスプリンクラー緩和、11階以上の高層区画に注意します。

出典・参考(一次資料で確認)

  • 建築基準法施行令第112条(防火区画)。面積区画(1,500/1,000/500m²・スプリンクラー部分の床面積1/2算入)、高層区画(11階以上・100/200/500m²)、竪穴区画(階段・吹抜け・昇降路等を防火設備で区画)、異種用途区画(第18項・法27条の用途/特定防火設備)。条文本文はe-Govで確認。
  • 建築技術教育普及センター「一級建築士試験 学科の試験 学科III(法規)問題」平成30〜令和7年。出題内容は公式問題に基づく。
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編集・解説

建築士試験 解説ノート編集部

建築業界の実務経験をもとに、一級・二級建築士試験の「法規」を条文と過去問から整理しています。運営者情報

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