建築士試験 解説ノート

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排煙設備の設置義務と免除|500㎡超・3階以上と防煙区画(一級建築士 法規)

排煙設備とは、火災のときに煙を屋外へ出し、避難や消火を助ける設備です(建築基準法施行令126条の2)。法規で問われるのは、どの建築物に必要で、どこが免除されるかです。

設置が必要なのは、特殊建築物で延べ面積500m²超、階数3以上で延べ面積500m²超、排煙無窓の居室、延べ面積1000m²超の建築物で床面積200m²超の居室などです。

すべての建築物に必要なわけではありません。試験では、500m²の数値、用途による免除、階段などの免除が狙われます。

排煙設備が必要になるのはどんな建築物か

No 設置が必要な建築物・居室
1 別表第一(い)欄の特殊建築物で、延べ面積が500m²を超えるもの
2 階数が3以上で、延べ面積が500m²を超える建築物
3 排煙無窓の居室(排煙に有効な開口部が床面積の1/50未満)
4 延べ面積1000m²超の建築物で、床面積が200m²を超える居室

3番の排煙無窓は、無窓居室の一種です。窓があっても排煙に有効な開口が足りなければ、排煙設備が必要になります。

免除されるのはどんなときか

  • 学校・体育館・ボウリング場・スポーツの練習場などは、用途で免除されます。
  • 階段・昇降機の昇降路(乗降ロビーを含む)などは免除されます。
  • 床面積100m²(共同住宅・病院等は200m²)以内ごとに、準耐火構造の床・壁と防火設備で防煙区画した特殊建築物の部分は免除されます。
  • 機械製作工場・不燃性物品の倉庫などで、主要構造部が不燃のものも免除されます。

学校や体育館のように天井が高く煙がこもりにくい用途は、規模が大きくても免除される点が特徴です。

防煙区画とは

排煙設備は、防煙区画ごとに働くようにつくります。防煙区画は、天井から50cm以上下がった不燃の垂れ壁(防煙壁)で、床面積500m²以内に区切ったものです。排煙口は、区画の各部分から水平距離30m以下に置きます。

なお、排煙機の能力などの構造の基準は令126条の3で別に定められています。設備設計の数値は防災設備の計画であわせて確認できます。

過去問10年でどう問われたか

排煙設備は、一級建築士 法規(学科Ⅲ)の建築設備・避難(No.8〜10のあたり)で、ほぼ毎年出ています。多くは「正しい肢」として、排煙無窓なら設置・階段や検証法・防火区画なら免除を見分けさせます。問題本文は公式PDFで確認できます。

年度・No. 出た排煙設備の記述(いずれも正しい)
平成29年 No.10 事務所の事務室(排煙に有効な開口2m²/120m²=1/60で排煙無窓)には排煙設備が必要(正・誤りは別の肢)
令和2年 No.8 5000m²の事務所で、階避難安全検証法で確かめ最上階に排煙設備を設けなかった(正・誤りは別の肢)
令和3年 No.8 物販店の屋内避難階段の部分に排煙設備を設けなかった(正・誤りは別の肢)
令和7年 No.20 ホテルの30m²の防火区画とした客室に排煙設備を設けなかった(正・誤りは別の肢)

多くの年は、排煙無窓なら必要・階段や検証法・防火区画なら免除、を「正しい」と判断できるかが課題です。学校・体育館は規模が大きくても用途で免除、防煙区画は500m²以内、設置は特殊建築物500m²超・階数3以上500m²超、と区別して押さえます。

まちがえやすいポイント

用途による免除がよく狙われます。学校・体育館・ボウリング場・スポーツ練習場は、規模が大きくても排煙設備が免除されます。

「学校に排煙設備が必要」「すべての建築物に必要」「防煙区画は1000m²以内」と書いてあれば誤りです。特殊建築物の設置は延べ面積500m²超、防煙区画は500m²以内です。

理解度チェック

Q.

学校には排煙設備が必要?

原則として免除されます。学校・体育館・ボウリング場・スポーツの練習場などは、規模が大きくても用途で排煙設備が免除されます。

Q.

防煙区画は何m²以内ごとに区画する?

床面積500m²以内ごとです。天井から50cm以上下がった不燃の防煙壁(垂れ壁)で区画し、排煙口は各部分から水平距離30m以下に置きます。

Q.

排煙無窓の居室には、排煙設備が要る?

要ります。排煙に有効な開口部が床面積の1/50未満(排煙無窓)の居室は、排煙設備が必要です。平成29年No.10で、1/60の事務室に排煙設備が必要とする正しい肢が出ました。

Q.

階避難安全検証法や防火区画で、排煙設備は免除される?

免除されます。検証法で安全を確かめた階、100m²(共同住宅・病院等は200m²)以内に防火区画した部分、階段・昇降路などは設けなくてよいです。令和2年No.8・令和7年No.20で正しい肢として出ました。

まとめ

排煙設備(令126条の2)は、特殊建築物で延べ面積500m²超、階数3以上で500m²超、排煙無窓の居室、延べ面積1000m²超の建築物の200m²超の居室などに必要です。学校・体育館等や階段・昇降路、100m²(共同住宅等200m²)以内の防煙区画は免除されます。防煙区画は500m²以内、と押さえます。

出典・参考(一次資料で確認)

  • 建築基準法施行令第126条の2(排煙設備の設置)・第126条の3(排煙設備の構造)。設置=別表第一(い)欄の特殊建築物で延べ面積500m²超、階数3以上で延べ面積500m²超、排煙無窓の居室(令116の2第1項二号)、延べ面積1000m²超の建築物で床面積200m²超の居室ほか。免除=学校・体育館等、階段・昇降路、100m²(共同住宅・病院等200m²)以内の防煙区画ほか。防煙区画は500m²以内、排煙口は各部分から水平距離30m以下。条文本文はe-Govで確認。
  • 建築技術教育普及センター「一級建築士試験 学科の試験 学科III(法規)問題」平成28〜令和7年。出題内容は公式問題に基づく。
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編集・解説

建築士試験 解説ノート編集部

建築業界の実務経験をもとに、一級・二級建築士試験の「法規」を条文と過去問から整理しています。運営者情報

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