建築士試験 解説ノート

建築士試験 解説ノート
  1. HOME
  2. 過去問解説
  3. 一級建築士 法規
  4. > 内装制限の対象と火気使用室

内装制限の対象と火気使用室・免除|一級建築士 法規

内装制限とは、火災のときに炎が燃え広がったり煙が出たりするのを抑えるため、壁・天井の仕上げを燃えにくい材料(難燃・準不燃・不燃)に限る規定です(建築基準法施行令128の4・128の5)。

押さえるのは3点です。対象は決まった建築物・室だけ(全建築物ではない)/制限は壁・天井床は対象外)/材料は難燃・準不燃・不燃。

試験では「対象になるか」「火気使用室の扱い」「床まで制限と書く誤り」が狙われます。

内装制限の対象になるのは

内装制限がかかるのは、火災時に危険が大きい次の建築物・室です。

  • 特殊建築物(劇場・病院・店舗など。別表第一の用途で一定規模以上)
  • 大規模建築物(階数・床面積が一定以上)
  • 無窓居室(採光・排煙上の窓がない居室)
  • 火気使用室(コンロ・ボイラー等を使う室)
  • 自動車車庫・自動車修理工場

逆に、これらに当たらない一般の住宅や小規模な建物の居室は、内装制限を受けません。「全部の建物に内装制限」ではない点が出発点です。

火気使用室の扱い(住宅は最上階だけ別)

火気使用室の内装制限は、用途と階で変わります。

  • 住宅最上階以外の階にある火気使用室(調理室など)が対象。最上階の調理室は対象外です。
  • 住宅以外=階に関係なく火気使用室が対象。ただし主要構造部を耐火構造とした建築物では対象から外れます。

「2階建て住宅の1階のキッチンは対象、最上階の2階は対象外」という形でよく問われます。

免除・緩和と、制限される部分

制限がやわらぐ場合と、どこを制限するかも頻出です。

  • 免除=スプリンクラー設備等+排煙設備を設けた部分などは、内装制限が緩和されます。
  • 制限される部分壁と天井の室内に面する部分。床は対象外です。居室では、床面からの高さ1.2m以下の腰壁部分が緩む扱いもあります。
  • 材料は、要求に応じて難燃材料・準不燃材料・不燃材料を使い分けます(避難経路となる通路・階段はより厳しく準不燃以上など)。

過去問10年でどう問われたか

一級建築士 法規(学科Ⅲ)ではほぼ毎年No.7〜9で出ます。引っかけは「対象の有無」「火気使用室の階」「材料のランク」です。問題本文は公式PDFで確認できます。

年度・No. 問われ方/引っかけ
令和7年 No.9 地階の物販の通路の準不燃/非常用EVロビーの内装/壁付暖炉まわり/100m²区画の天井の緩和
令和5年 No.9 有料老人ホームの寝室・図書室・調理室・病院の通路の仕上げ材料の可否
平成30年 No.7 特殊建築物の内装=飲食店・物販・図書館・劇場で要求される材料の違い

「対象か」「火気使用室の階」「壁天井だけ(床は対象外)」を軸に読むと、各肢を判断できます。

まちがえやすいポイント

3つを固定します。対象は決まった建築物・室だけ/制限は壁・天井/材料は難燃〜不燃

「床の仕上げまで内装制限を受ける」「住宅の最上階の調理室も対象」と書いてあれば誤りになりやすいです。床は対象外、住宅の火気使用室は最上階以外が対象です。

理解度チェック

Q.

内装制限は、床の仕上げにもかかる?

かかりません。制限されるのは壁と天井の室内に面する部分です。床は対象外で、居室では床から1.2m以下の腰壁が緩む扱いもあります。

Q.

2階建て住宅で、火気使用室の内装制限がかかるのはどの階?

最上階以外(この場合は1階)の火気使用室が対象です。最上階(2階)の調理室は対象外になります。

まとめ

内装制限は、対象となる建築物・室(特殊建築物・大規模・無窓居室・火気使用室など)の壁・天井の仕上げを、難燃〜不燃の材料に限る規定です。床は対象外、住宅の火気使用室は最上階以外が対象、スプリンクラー等で免除、が急所です。試験では、対象の有無・火気使用室の階・材料のランクに注意します。

出典・参考(一次資料で確認)

  • 建築基準法施行令第128条の3の2〜第128条の5(内装制限)。対象建築物・無窓居室・火気使用室、壁および天井の仕上げ材料(難燃・準不燃・不燃)、スプリンクラー設備等による緩和。条文本文はe-Govで確認。
  • 建築技術教育普及センター「一級建築士試験 学科の試験 学科III(法規)問題」平成28〜令和7年。出題内容は公式問題に基づく。
建築士試験 解説ノート

編集・解説

建築士試験 解説ノート編集部

建築業界の実務経験をもとに、一級・二級建築士試験の「法規」を条文と過去問から整理しています。運営者情報

Topへ >>