無窓居室とは、窓がまったく無い部屋のことではありません。採光や排煙のための開口部が、必要な大きさに足りない居室のことです。何が足りないかで種類が分かれ、非常用照明や排煙設備など、必要になる対策も変わります。
代表的なのは採光無窓と排煙無窓です。採光無窓は採光に有効な開口部が床面積の1/20未満で非常用照明が必要、排煙無窓は排煙に有効な開口部が1/50未満で排煙設備が必要です。
窓があっても、必要な割合に届かなければ無窓居室として扱われます。試験では、1/20と1/50の取り違えと、必要になる対策のすり替えが狙われます。
| 種類 | 足りない開口部 | かかる規制 |
|---|---|---|
| 採光無窓 | 採光に有効な面積が床面積の1/20未満(令116の2第1項一号) | 非常用照明(令126の4)。直通階段までの歩行距離も短くなる |
| 排煙無窓 | 排煙に有効な面積(天井から下方80cm以内の開放部分)が床面積の1/50未満(令116の2第1項二号) | 排煙設備(令126の2) |
採光が足りなければ非常用照明、排煙が足りなければ排煙設備、と対応が決まっています。割合は採光1/20・排煙1/50で、数値も役割も別です。
同じ「無窓居室」でも、条文ごとに見る開口部と基準が違います。条文を取り違えないことが大切です。
無窓居室は、一級建築士 法規(学科Ⅲ)で周期的に出ます。最も正面から問うのは、1問で採光無窓・排煙無窓・換気をまとめて判定させる形です。問題本文は公式PDFで確認できます。
| 年度・No. | 出た記述 |
|---|---|
| 令和3年 No.14 | 採光2.0m²(1/20未満)・排煙0.5m²(1/50未満)・換気3.0m²の居室で、換気が足りているのに換気設備が必要とした(誤り・正答=換気は足りる) |
| 令和6年 No.19 | ホテル3階以上の宿泊室は、採光上有効な窓があっても非常用照明が必要(正・誤りは別の肢) |
| 令和7年 No.20 | ホテル3階以上の客室は、採光上有効な窓があっても非常用照明が必要(正・誤りは別の肢) |
令和3年No.14は、採光1/20・排煙1/50・換気1/20を1問で見分けさせる典型でした。誤りは採光・排煙は無窓でも、換気が足りていれば換気設備は不要な点です。なお非常用照明は、特殊建築物の客室なら採光窓があっても必要で、採光無窓かどうかとは別に決まります。
採光無窓の居室には何が必要?
非常用照明です。採光に有効な開口部が床面積の1/20未満の居室(採光無窓・令116の2第1項一号)は、非常用照明(令126の4)が必要です。
排煙無窓の居室の判定基準は?
排煙に有効な開口部(天井から下方80cm以内の開放部分)が床面積の1/50未満の居室です(令116の2第1項二号)。この場合は排煙設備(令126の2)が必要になります。
採光・排煙は無窓でも、換気が足りていれば換気設備は要る?
要りません。換気に有効な開口部が床面積の1/20以上あれば、換気設備は不要です。令和3年No.14で、採光・排煙は無窓なのに「換気設備が必要」とした記述が誤りとして出ました。
ホテルの客室に採光上有効な窓があれば、非常用照明は不要?
いいえ。ホテルなどの特殊建築物の居室は、採光に有効な窓があっても非常用照明が必要です。令和6年No.19・令和7年No.20で正しい肢として出ています。
無窓居室は、開口部が必要な大きさに足りない居室です。採光無窓は採光有効1/20未満で非常用照明、排煙無窓は排煙有効1/50未満で排煙設備が必要です。さらに主要構造部(令111)や内装制限(令128の3の2)の無窓居室もあり、条文ごとに基準が違う、と押さえます。
出典・参考(一次資料で確認)
※ このページの確認日:2026年6月
まちがえやすいポイント
割合と規制の対応がいちばん狙われます。採光無窓は1/20未満で非常用照明、排煙無窓は1/50未満で排煙設備です。
「採光無窓は1/50」「排煙無窓に非常用照明」「窓があれば無窓居室でない」と書いてあれば誤りです。無窓居室は、開口部が必要な大きさに足りない居室を指します。