建築士試験 解説ノート

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避難階段と特別避難階段の違い|直通階段との関係(一級建築士 法規)

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火災時に人を安全に地上へ逃がすため、階段には安全性の要求が段階的に定められています。要求の軽い順に、直通階段・避難階段・特別避難階段の3つがあります。

直通階段<避難階段<特別避難階段の順に要求が厳しくなり、特別避難階段は「附室」を介するのが最大の違いです。

試験では、附室の有無と、どの階でどの階段が必要になるかが狙われます。

直通階段・避難階段・特別避難階段の違いの図。直通階段は廊下から階段へ直接つながる。避難階段は階段室を耐火区画し防火戸を設ける。特別避難階段は、廊下と階段室の間に附室(またはバルコニー)を介して二重に区画する。
避難階段は階段室を区画、特別避難階段はさらに附室(バルコニー)を介するのが最大の違い

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3つの階段の違い(要求の厳しさ)

前提として、直通階段は避難階(地上に通じる階)まで途切れず続く階段です(令120)。居室からその階段までの歩行距離の規定があります。この直通階段を土台にして、避難階段・特別避難階段は区画や附室の要件を積み増したものです。

階段 要件・考え方 必要になる場面
直通階段 避難階まで途切れず続く階段(令120)。まず満たす基本の要件。居室からの歩行距離の規定がある。 すべての建築物の基本
避難階段 耐火構造の壁で区画し、開口部に防火設備を設け、屋内は排煙等の措置をとった階段(令123)。屋外に設ける屋外避難階段もある。 一定の高さ・階で必要
特別避難階段 階段室の前に附室(バルコニー、または排煙設備のある附室)を設け、二重の区画で煙の侵入を防ぐ(令123)。より高い安全性。 高層階・地下の深い階など

「直通=地上まで直通」「避難=区画+防火設備」「特別=そこに附室を足した二重区画」と押さえます。附室があるかどうかが避難階段と特別避難階段を分ける決め手です。

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とくに狙われるポイント

  • 特別避難階段は附室が必須です。 バルコニー、または排煙設備のある附室を階段室の前に設け、煙が階段室へ直接入るのを二段構えで防ぎます。この附室の有無が最大の違いです。
  • 要求の厳しさは直通階段<避難階段<特別避難階段の順です。上位の階段は、下位の要件をすべて満たしたうえで、さらに区画や附室を積み増します。
  • 一定規模の物品販売業を営む店舗や高層建築物では、避難階段や特別避難階段を設けることが求められます。
  • 必要となる具体の階数・面積は令121〜123に定めがあります。数値の細部はe-Govで確認します。

過去問でどう問われたか

一級建築士 法規(学科Ⅲ)の避難関係の設問(No.5前後)で頻出です。引っかけは「附室の有無」「避難階段と特別避難階段の取り違え」「必要になる階の条件」です。問題本文は公式PDFで確認できます。論点全体の整理は避難のまとめにまとめています。

論点 問われ方/引っかけ
附室の有無 特別避難階段に附室(バルコニー・排煙設備のある附室)を要する点を問う。附室なしを特別避難階段とする記述が誤り。
必要になる階 高さ・階数・用途に応じて避難階段または特別避難階段を要する条件を問う。
構造の要件 耐火構造の区画・防火設備・排煙など、避難階段の構造要件を細部で問う。

「附室があれば特別避難階段」「区画と防火設備までなら避難階段」と要件で切り分けると判断がぶれません。

まちがえやすいポイント

最大の違いは附室です。特別避難階段は附室(バルコニー・排煙設備のある附室)を介する二重区画で、要求は直通階段<避難階段<特別避難階段の順に厳しくなります。

附室のない階段を特別避難階段とする記述や、要求の順序を逆にした記述があれば誤りです。附室が特別避難階段の決め手だと覚えておきます。

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理解度チェック

Q.

避難階段と特別避難階段の最大の違いは?

階段室の前に附室があるかどうかです。特別避難階段は、バルコニーまたは排煙設備のある附室を介する二重区画で、避難階段より高い安全性を確保します(令123)。

Q.

直通階段・避難階段・特別避難階段を要求が厳しい順に並べると?

直通階段<避難階段<特別避難階段の順です。上位の階段は下位の要件を満たしたうえで、区画や附室をさらに積み増します。

まとめ

直通階段は避難階まで途切れず続く基本の階段、避難階段は耐火区画と防火設備を備えた階段、特別避難階段はさらに附室を介する二重区画の階段です。要求は直通階段<避難階段<特別避難階段の順に厳しくなり、附室の有無が避難階段と特別避難階段を分ける決め手です。必要になる階の条件は令121〜123で確認し、附室と要求の順序を結びつけて押さえます。

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出典・参考(一次資料で確認)

  • 建築基準法施行令第120条(直通階段の設置)・第121条(二以上の直通階段を設ける場合)・第122条(避難階段の設置)・第123条(避難階段・特別避難階段の構造)。避難階段は耐火構造の区画・防火設備・排煙等、特別避難階段はバルコニーまたは排煙設備のある附室を要する。必要となる具体の階数・面積・条件はe-Govで確認。
  • 建築技術教育普及センター「一級建築士試験 学科の試験 学科III(法規)問題」。出題内容は公式問題に基づく。
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編集・解説

建築士試験 解説ノート編集部

建築業界の実務経験をもとに、一級・二級建築士試験の「法規」を条文と過去問から整理しています。運営者情報

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