主要構造部と構造耐力上主要な部分は、名前が似ているので一級建築士 法規でよく取り違えさせられます。No.1の用語定義だけでなく、大規模の修繕や防火の問題でも、この区別が前提になります。
2つは目的が違います。主要構造部は防火の概念(法2条五号)で、火災に対する区分や耐火・防火構造の対象になります。構造耐力上主要な部分は力学的強度の概念(令1条三号)で、荷重や外力を支える部分です。含む部分も一致しません。
| 用語 | 含む部分 |
|---|---|
| 主要構造部(法2条五号) =防火の概念 | 壁・柱・床・はり・屋根・階段。 ただし、構造上重要でない最下階の床、間仕切壁、間柱、付け柱、局部的な小階段、屋外階段、ひさし、小ばり、回り舞台の床などは除く |
| 構造耐力上主要な部分(令1条三号) =力学的強度の概念 | 基礎・基礎ぐい・壁・柱・小屋組・土台・斜材(筋かい等)・床版・屋根版・横架材(はり・けた等)で、自重・積載荷重・積雪・風圧・土圧・水圧・地震等を支えるもの |
基礎・基礎ぐい・土台・斜材・小屋組は「構造耐力上主要な部分」だが「主要構造部」ではない。
取り違えの的になるのが、片方にだけ含まれる部分です。
基礎や土台は、建築物を力学的に支える部分なので構造耐力上主要な部分です。しかし防火の区分である主要構造部には入りません。逆に階段は、防火・避難の観点から主要構造部に含まれます。
大規模の修繕・大規模の模様替は、主要構造部の一種以上について行う過半の修繕・模様替をいいます(法2条十四号・十五号)。判定の対象は主要構造部です。
そのため、土台の過半の修繕は大規模の修繕に該当しません。土台は構造耐力上主要な部分ですが、主要構造部ではないからです。「土台の過半の修繕は大規模の修繕である」という記述は誤りで、これは繰り返し出ています。
| 正誤 | 記述 |
|---|---|
| × | 木造2階建ての住宅で、土台の過半について行う修繕は、大規模の修繕に該当する。 → 土台は主要構造部ではないので、大規模の修繕に該当しません(R1・R3) |
| ○ | 建築物の自重・積載荷重等を支える最下階の床版は、構造耐力上主要な部分である。 → 正しい(R2) |
| ○ | 階段は主要構造部に含まれる。 → 正しい(壁・柱・床・はり・屋根・階段) |
混同しやすい用語
主要構造部は防火の概念で、壁・柱・床・はり・屋根・階段。構造耐力上主要な部分は力学的強度の概念で、基礎・基礎ぐい・土台・斜材・小屋組などを含みます。基礎・土台は後者だけ、階段は前者に含まれます。
判定は主要構造部で行います。土台の過半の修繕は、土台が主要構造部でないため大規模の修繕に該当しません。
土台の過半について行う修繕は、大規模の修繕に該当する。〇か×か。
×。土台は構造耐力上主要な部分ですが主要構造部ではないため、大規模の修繕には該当しません(R1・R3)。
基礎は主要構造部に含まれる。〇か×か。
×。基礎は構造耐力上主要な部分です。主要構造部は壁・柱・床・はり・屋根・階段で、基礎・土台は含みません。
階段は主要構造部に含まれる。〇か×か。
〇。主要構造部は壁・柱・床・はり・屋根・階段です。ただし局部的な小階段や屋外階段は除かれます。
主要構造部=防火(壁・柱・床・はり・屋根・階段)、構造耐力上主要な部分=力学(基礎・基礎ぐい・土台・斜材・小屋組ほか)。
基礎・土台は後者だけ、階段は前者。大規模の修繕の判定は主要構造部で行うので、土台の過半の修繕は該当しません。この区別が法規の各所で効きます。
参考(実ページで確認)
※ この記事の確認日:2026年6月