建築士試験 解説ノート

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確認申請・手続のまとめ【過去10年分】|一級建築士試験 法規の過去問・頻出ポイント

確認申請と手続は一級建築士 学科Ⅲ(法規)のNo.3・4で、過去10年ほぼ毎年出ます。確認済証が必要かどうか、中間検査・完了検査、仮使用、定期報告、用途変更の流れを問う枠です。

確認申請・手続は、「確認が要るか要らないか」と「手続の宛先・期限」を覚える分野です。

誤りの選択肢は、確認の要否、手続の宛先(建築主事か指定確認検査機関か)、期限の数値を1か所だけ入れ替えてあります。流れを順番に押さえれば消去法で解けます。

確認済証が必要になる主な行為

行為 確認の要否
大規模の修繕・模様替主要構造部の一種以上の過半の修繕・模様替は、原則として確認が必要
増築・改築・移転防火・準防火地域外での10m²以内のものは確認不要
用途の変更特殊建築物(200m²超)への変更は確認が必要。ただし類似の用途の間の変更は確認不要
工作物の築造高さ2mを超える擁壁、観覧車・メリーゴーラウンド等の遊戯施設、広告塔等は確認が必要
仮設建築物工事現場に設ける事務所・下小屋等は確認不要

鉄道のプラットホームの上家や、政令で指定する区域外の小規模な建築物など、確認そのものが不要な場合もあります。

2025年4月の確認区分の再編(4号特例の縮小)

確認・検査の区分は、2025年4月施行の改正で大きく変わりました。試験では適用される法令の基準日に注意してください。

過去問(各年1月1日が基準)は、いずれも旧「4号建築物」の区分で出題されています。令和7年(2025年)の問題までは旧区分です。2025年4月以降は、旧4号建築物が新2号建築物新3号建築物に再編されました。

区分 対象(木造の例) 審査
新2号建築物木造2階建て、または木造平屋建てで延べ面積200m²超全ての地域で確認・検査が必要。審査省略制度(特例)は使えない。構造関係・省エネ関係の図書を提出
新3号建築物木造平屋建てで延べ面積200m²以下従来の4号と同様に審査省略の対象(都市計画区域内等では確認・検査が必要)

検査・仮使用・定期報告の流れ

手続 中身・期限
中間検査特定工程(法定の工程=階数3以上の共同住宅の2階床・はりの配筋など、または特定行政庁が指定する工程)を終えたときに申請する
完了検査工事完了の日から4日以内に到達するように申請する
検査済証前の使用旧4号(新3号等)は検査済証の交付前でも使用できる。それ以外は原則、仮使用の認定が必要
仮使用の認定特定行政庁・建築主事・指定確認検査機関のいずれかが認定する。避難施設等の工事中の使用では、措置に関する計画を作成して特定行政庁に届け出る
用途変更の完了完了検査ではなく、建築主事に工事完了届を届け出る
定期報告特定建築物等について、所有者(所有者と管理者が異なるときは管理者)が特定行政庁へ報告する

用途変更の流れは引っかけの定番です。確認は指定確認検査機関でも受けられますが、工事が完了したときに出すのは「工事完了届」で、宛先は建築主事です。指定確認検査機関への届出や完了検査の申請とする記述は誤りになります。

過去問の論点○×

実際に出た選択肢を正誤の形にしました。宛先と要否の入れ替えに注目してください。

正誤 記述
×用途変更の確認を指定確認検査機関から受けた場合、工事完了時は当該指定確認検査機関に届け出る。
建築主事に工事完了届を届け出ます(H28・R6)
×建築設備の材料・位置・能力の変更(性能が低下しないもの)でも、あらためて確認済証の交付を受けなければならない。
軽微な変更は再確認不要です(H29・R4)
×特定行政庁が指定する工程ではない工事の工程を終えたときも、中間検査を申請しなければならない。
→ 中間検査は特定工程に対するものです(R5・R7)
鉄骨造、延べ面積200m²、平家建ての事務所(旧4号)は、検査済証の交付前でも使用できる。
→ 正しい(R2・R5)

過去問の出題一覧(一級建築士 法規)

確認申請・手続は法規のNo.3・4を中心に出ます。正解番号は建築技術教育普及センターの公表正答によります(各年1月1日施行の法令が基準)。

年度 No. 正解 主な論点
令和7年(2025)3・43/4確認の要否・床面積変更/完了検査4日・用途変更届・中間検査(特定工程)
令和6年(2024)3・42/4措置計画届・60m超の手続/用途変更(類似用途・工事完了届)
令和5年(2023)3・43/1確認が必要な行為/中間検査(特定工程)・検査済証前使用・仮設興行場
令和4年(2022)3・43/2仮設工事事務所・用途変更/定期報告・用途変更完了・軽微変更・仮使用
令和3年(2021)3・43/2確認の要否(用途変更ほか)/仮使用・定期報告・検査済証前使用・用途変更届
令和2年(2020)3・44/4確認の要否/措置計画届・EV定期検査・軽微変更・検査済証前使用
令和元年(2019)3・44/3確認の要否(用途変更)/仮使用・定期報告・用途変更完了・仮使用措置届
平成30年(2018)3・43/1確認の要否(屋根過半修繕)/措置計画届・卸売市場・定期報告・用途変更届
平成29年(2017)3・43/3確認の要否(防火地域)/60m超の手続・認証型式部材・軽微変更・現場表示
平成28年(2016)3・43/4確認の要否(用途変更)/仮使用・定期報告・用途変更完了届

まちがえやすいポイント

手続の誤りは、宛先(建築主事か指定確認検査機関か)か、要否が1か所だけ入れ替わっている形です。

用途変更の工事完了は建築主事に工事完了届(完了検査ではない)。中間検査は特定工程に対するもの。軽微な変更は再確認不要。完了検査の申請は4日以内に到達。この4つが毎年の軸です。

覚え方

「確認が要るか」と「手続の宛先・期限」をセットで覚える。

  • 防火・準防火地域外の10m²以内の増改築移転は確認不要
  • 用途変更は類似用途なら確認不要、要する場合は建築主事に工事完了届
  • 中間検査は特定工程(法定+特定行政庁の指定)に対して
  • 完了検査の申請は工事完了から4日以内に到達
  • 2025年4月から旧4号は新2号・新3号に再編(新2号は審査省略不可)

理解度チェック

Q.

用途変更の確認を指定確認検査機関から受けた場合、工事が完了したら当該指定確認検査機関に届け出る。〇か×か。

×。工事完了時は建築主事に工事完了届を届け出ます。完了検査の申請でもありません(H28・R6)。

Q.

建築設備の能力が減少しない変更でも、あらためて確認済証の交付を受けなければならない。〇か×か。

×。性能が低下しない(能力が減少しない)変更は軽微な変更で、再確認は不要です(H29・R4)。

Q.

2025年4月以降、木造2階建ての新2号建築物は、審査省略制度(特例)を利用できる。〇か×か。

×。新2号建築物は全ての地域で確認・検査が必要で、審査省略制度は使えません。審査省略の対象は新3号建築物(木造平屋200m²以下)です。

Q.

中間検査は、特定行政庁が指定する工程ではない工事の工程を終えたときにも申請しなければならない。〇か×か。

×。中間検査は特定工程(法定の工程と特定行政庁が指定する工程)に対するものです(R5・R7)。

まとめ

確認申請・手続は「要否」と「宛先・期限」をペアで覚える。

用途変更は建築主事へ工事完了届、中間検査は特定工程、完了検査は4日以内、軽微な変更は再確認不要。2025年4月の新2号・新3号の再編も合わせて押さえましょう。

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参考(実ページで確認)

  • 建築技術教育普及センター「平成28〜令和7年度 一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)問題」(No.3・4の出題内容)
  • 建築基準法 第6条・第6条の2・第7条・第7条の6・第12条(確認・検査・仮使用・定期報告)
  • 2025年4月施行の建築基準法改正(いわゆる4号特例の縮小、新2号・新3号建築物への再編):国土交通省
  • 過去問は各年1月1日施行の法令が基準(令和7年の問題までは旧4号の区分)
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編集・解説

建築士試験 解説ノート編集部

建築業界の実務経験をもとに、一級・二級建築士試験の「法規」を過去問の問われ方から整理しています。運営者情報

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