CPTED(防犯環境設計)とは、まちや建物の設計・配置の工夫で、犯罪を起こりにくくする考え方です。
警察庁や国土交通省が進める「犯罪に遭いにくいまちづくり」の基本になる考え方です。
試験では、4つの手法の内容と、割れ窓理論やディフェンシブルスペースといった似た用語との関係が問われます。
CPTEDは、一般に次の4つの手法にまとめられます。過去問でもこの4つがそのまま挙げられました。
| 手法 | 内容 |
|---|---|
| 監視性の確保 | 周囲からの見通しを確保し、人の目が届くようにする |
| 接近の制御 | 犯罪企図者の接近を妨げる(入りにくくする) |
| 領域性の強化 | コミュニティ形成を促進し、住民の縄張り意識を高める |
| 被害対象の強化・回避 | 部材や設備等を破壊されにくいものとする |
見通し・入りにくさ・コミュニティ・壊れにくさの4方向から犯罪を防ぐ、と押さえます。
防犯の問題では、CPTEDと並んで次の用語が出ます。混同しやすいので、意味と提唱者を並べて見ます。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 割れ窓理論 | 窓が割れたまま放置されると管理者がいないと判断され、やがて全ての窓が割られる、という比喩で犯罪発生のメカニズムを説明したもの |
| ディフェンシブルスペース (まもりやすい空間) |
オスカー・ニューマンが提唱。物理的・象徴的な境界と見通しのよさをもち、住民が「自分たちの場所」と感じられる環境 |
割れ窓理論は犯罪が広がる仕組みの説明、ディフェンシブルスペースは住民の領域意識を活かす空間の考え方です。CPTEDの「領域性の強化」は、このディフェンシブルスペースと近い発想です。都市計画・まちづくりとも結び付けて問われます。
一級建築士 計画では、人の行動や防犯に配慮した計画として出ます。問題文は建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。
| 年度・No. | 問われ方/引っかけ |
|---|---|
| 一級 令和4年 No.7 | CPTEDの4手法(見通し確保・コミュニティ形成・接近を妨げる・破壊されにくく)と割れ窓理論。同問でプルーイット・アイゴーを「低層で犯罪低下の成功例」とした肢は誤り(実際は高層・解体) |
| 一級 令和6年 No.4 | ニューマンの「まもりやすい空間」の理論に基づく段階的な空間構成(正しい記述) |
| 一級 令和3年 No.6 | ニューマンのディフェンシブルスペース(まもりやすい空間)の定義(正しい記述) |
CPTEDの「領域性の強化」とは、見通しを確保して人の目を届かせること?
それは「監視性の確保」です。領域性の強化は、コミュニティ形成を促し、住民の縄張り意識を高める手法です。
ディフェンシブルスペース(まもりやすい空間)を提唱したのは誰?
オスカー・ニューマンです。物理的・象徴的な境界と見通しのよさをもち、住民が「自分たちの場所」と感じられる環境を指します。
プルーイット・アイゴーは、開放的な低層住宅で犯罪を大きく減らした成功例?
違います。高層の団地で問題が生じ、最終的に解体された事例です。成功例とする記述は誤りです。
CPTEDは、監視性・接近の制御・領域性・被害対象の強化の4手法で犯罪を防ぐ考え方です。試験では、4手法の内容と、ディフェンシブルスペース(ニューマン)・割れ窓理論との取り違え、事例の評価の反転に注意します。
出典・参考
※ このページの確認日:2026年6月
まちがえやすいポイント
用語と提唱者・内容の取り違えが狙われます。ディフェンシブルスペース(まもりやすい空間)はオスカー・ニューマンです。割れ窓理論は、犯罪が広がる仕組みの説明で、空間設計の手法そのものではありません。
事例の評価の反転にも注意します。プルーイット・アイゴーは、犯罪を抑えた成功例ではなく、問題が生じて解体された事例です。「成功例」として書いてあれば誤りです。