住宅・集合住宅は一級建築士 計画のNo.13あたりで、過去10年ほぼ毎年出ます(住宅作品の名前と設計者は建築史のまとめで扱います)。問われるのは住棟・住戸の形式名と、その長所・短所の対応です。引っ掛けは「採光・通風に有利/不利」「独立性が高い/低い」といった評価が形式と合っているかをずらしたものが多いです。形式は長所と短所をセットで押さえます。
| 形式 | 特徴(長所・短所) |
|---|---|
| 階段室型 | 各住戸の独立性・プライバシーが高い。エレベーター効率は低め |
| 片廊下型 | 管理しやすく避難も明快。片側採光になりやすい |
| 中廊下型 | 土地利用効率は高いが、採光・通風は不利 |
| スキップフロア型 | 数階おきに共用廊下を設ける。廊下のない階の住戸は両面採光を得やすいが、避難計画に注意 |
| メゾネット型 | 1住戸を2層で構成。独立性・空間の変化に富む(フラットは1層で完結) |
住環境の計画では、歩車分離(ラドバーン方式)、コモン(共用の庭)、近隣住区などの考え方が問われます。既存団地では、エレベーター増設・住戸の集約・建替えなどのストック活用(団地再生)の観点が出ます。
コーポラティブハウスは、入居予定者が組合をつくり、企画・設計から参加して建てる方式です。コレクティブハウスは、各住戸の独立性を保ちつつ台所・食堂などを共用し、居住者が共同で運営する住まい方です。名前と中身の取り違えに注意します。
過去10年で繰り返された論点を、正しい記述(○)と引っ掛け(×)で並べます。
| 記述 | ○× |
|---|---|
| 階段室型は、各住戸の独立性・プライバシーが高い | ○ |
| メゾネット型は、1住戸を上下2層で構成する | ○ |
| ラドバーン方式は、歩行者と自動車の動線を分離する住宅地計画の手法である | ○ |
| 中廊下型は、片廊下型に比べて採光・通風に有利である | × |
| 階段室型は、片廊下型に比べてエレベーターの利用効率が高い | × |
| コレクティブハウスは、入居者が組合をつくり企画・設計から参加して建てる方式である | × |
×を正しく直すと、中廊下型は採光・通風が不利(土地効率は高い)/エレベーター効率は片廊下型のほうが高い(階段室型は低め)/組合をつくり企画から参加するのはコーポラティブハウス(コレクティブは共用と共同運営)、です。
住宅・集合住宅は計画のNo.13を中心に、形式の長所・短所や住宅地・団地再生から問われています。正解番号は建築技術教育普及センターの公表正答によります。
| 年度 | No. | 正解 | 論点/解説 |
|---|---|---|---|
| 令和7年(2025) | 13 | 4 | 団地再生・災害復興 ※No.12(正解4)住まいの計画も出題 |
| 令和6年(2024) | 13 | 3 | 住宅地・集合住宅の計画 |
| 令和5年(2023) | 13 | 3 | 高層分譲集合住宅の計画 |
| 令和4年(2022) | 12 | 4 | 住宅の計画 ※解説は順次追加予定 |
| 令和3年(2021) | ― | ― | 集合住宅の単独出題は薄め(都市・住宅地で一部) |
| 令和2年(2020) | 13 | 4 | 集合住宅等の計画 ※解説は順次追加予定 |
| 令和元年(2019) | 12 | 3 | ニュータウン及び集合住宅 ※解説は順次追加予定 |
| 平成30年(2018) | 3 | 4 | 住宅(ユニテ・ダビタシオン等)※解説は順次追加予定 |
| 平成29年(2017) | ― | ― | 集合住宅の単独出題は薄め |
| 平成28年(2016) | 13 | 1 | 住宅団地及び集合住宅の計画 ※解説は順次追加予定 |
中廊下型の集合住宅は、片廊下型より採光・通風に有利?
不利です。中廊下を挟んで両側に住戸を並べるため土地利用効率は高い一方、採光・通風は片廊下型より不利になります。
階段室型は、片廊下型よりエレベーターの利用効率が高い?
違います。階段室型は階段室ごとにアクセスが分かれるため、エレベーターの利用効率は低めです。独立性・プライバシーが高いのが長所です。
コーポラティブハウスとコレクティブハウスは同じもの?
違います。コーポラティブは入居者が組合をつくり企画・設計から参加して建てる方式、コレクティブは各住戸の独立性を保ちつつ台所等を共用し共同運営する住まい方です。
出典・参考
※ このページの確認日:2026年6月
まちがえやすいポイント
形式の評価が逆の選択肢に注意します。中廊下型を「採光・通風に有利」(実際は不利)、階段室型を「エレベーター効率が高い」(実際は低め)が、よく出る引っかけです。
形式の長所・短所はトレードオフです。「土地効率が高い=採光通風は不利」「独立性が高い=共用効率は下がる」のように、セットで覚えると評価のずれに気づけます。