ジークフリート・ギーディオン(1888〜1968年)は、スイスの建築史家・評論家です。代表作『空間・時間・建築』(1941年)は、近代建築(モダニズム)を歴史のなかに位置づけた本です。
この本のねらいは、近代建築の正当性を示すことでした。様式をなぞる歴史主義から脱け出し、時間と空間が結びついた新しい空間概念こそ近代建築の核心だと論じました。
建築史を批評として書いた点が特徴です。試験では、誰が・何を主張した本かが狙われます。
ギーディオンは、ハーバード大学での講演をもとにこの本をまとめました。19世紀までの「○○様式」という歴史主義の流れを整理し、そこからの脱却として近代建築をとらえました。
鍵になるのが、時間と空間を切り離さず一体でとらえる新しい空間概念です。1つの視点からでなく、動きながら多くの視点で空間を感じ取る考え方で、同時代の絵画(キュビズム)とも響き合うものとしました。
ギーディオンは、近代建築国際会議(CIAM)の書記長を長く務めました。コルビュジエらと近代建築運動を進めた中心人物の一人で、その理論的な支柱を担いました。『空間・時間・建築』は、その運動の歴史的な裏づけにもなりました。
一級建築士 計画では、建築・都市の著作と著者・説明を組み合わせる問題で出ます。問題本文は公式PDFで確認できます。
| 年度・No. | 問われ方/引っかけ |
|---|---|
| 一級 令和5年 No.3 | 『空間・時間・建築』(ギーディオン・1941年)と「『空間』概念で近代建築を歴史に位置づけ正当性を主張」の組合せ(正しい記述) |
| 一級 令和5年 No.3(同問の誤り肢) | 『都市の建築』(ロッシ)の説明にヴェンチューリ「複雑さと矛盾」をすり替えた肢=誤り |
ギーディオンは近代建築を歴史に位置づけて正当化しました。著者と中身を結びつけると見抜けます。
『空間・時間・建築』は何を主張した本?
近代建築(モダニズム)の正当性を建築史のなかに位置づけ、時間と空間が結びついた新しい空間概念を論じた本です。著者はギーディオンです。
ギーディオンが書記長を務めた組織は?
近代建築国際会議(CIAM)です。コルビュジエらと近代建築運動を進め、その理論面を支えました。
ギーディオン『空間・時間・建築』(1941年)は、様式主義からの脱却として近代建築を歴史のなかに位置づけ、時間と空間が結びついた新しい空間概念を論じました。著者はCIAMの書記長でもあった、と押さえます。
出典・参考
※ このページの確認日:2026年6月
まちがえやすいポイント
本の立場がいちばん狙われます。『空間・時間・建築』は、近代建築の正当性を示し、新しい空間概念を論じた本です。
「様式主義を擁護した」「近代建築を否定した」と書いてあれば誤りです。ギーディオンは歴史主義からの脱却を説き、近代建築を歴史のなかに位置づけました。