建築士試験 解説ノート

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ロース「装飾と犯罪」|装飾の否定とモダニズムの先駆(一級建築士 計画)

アドルフ・ロース(1870〜1933年)は、オーストリアの建築家です。『装飾と犯罪』(1908年)という論文で、当時はやっていた過剰な装飾を強く批判しました。

主張は、実用品から無用な装飾を排することです。装飾を否定する立場で、後のモダニズム建築の先駆となりました。

装飾を推奨したと取り違えやすいので注意が必要です。試験では、装飾への姿勢と、時代背景が狙われます。

「装飾と犯罪」で何を言ったのか

ロースは、実用品に施す無用な装飾は文化の無駄づかいだと考えました。装飾は原始的なもので、装飾の多さはむしろ文化の水準の低さを表す、とまで述べています。

ねらいは、装飾をやめて、機能・素材・簡潔さで美しさをつくることです。ただし、彼は装飾を完全に禁じたのではなく、日常の実用品から無用な装飾を除くことを説いた点もあわせて押さえます。

時代背景|何への批判だったのか

19世紀末から20世紀初頭のウィーンでは、アール・ヌーヴォーやゼツェッション(分離派)のような、装飾性の強い芸術運動が盛んでした。

ロースの装飾否定は、こうした装飾過多への批判でした。装飾を削ぎ落とす方向は、その後の近代建築(モダニズム)の簡潔なデザインにつながっていきます。

ラウムプラン

ロースは、室を高さ方向にずらして立体的に組み合わせるラウムプラン(空間計画)でも知られます。平面だけでなく断面でも空間を考える手法で、ミュラー邸などに見られます。装飾でなく空間の構成で豊かさをつくる姿勢が表れています。

試験ではどう問われるか

一級建築士 計画では、建築・都市の著作と著者・説明を組み合わせる問題で出ます。問題本文は公式PDFで確認できます。

年度・No. 問われ方/引っかけ
一級 令和5年 No.3 『装飾と犯罪』(アドルフ・ロース・1908年)と「実用に資することのない表面的な装飾は不要」の組合せ(正しい記述)
一級 令和5年 No.3(同問の誤り肢) 『都市の建築』(ロッシ)の説明にヴェンチューリ「複雑さと矛盾」をすり替えた肢=誤り

ロースは装飾の否定(モダニズムの先駆)です。著者と主張を結びつけると見抜けます。

まちがえやすいポイント

装飾への姿勢がいちばん狙われます。ロースは『装飾と犯罪』で、実用品から無用な装飾を排することを説きました

「装飾を積極的に推奨した」「アール・ヌーヴォーの装飾を擁護した」と書いてあれば誤りです。装飾過多を批判し、モダニズムの先駆となった人物です。

理解度チェック

Q.

『装飾と犯罪』でロースは装飾をどう考えた?

実用品に施す無用な装飾を排すべきと考えました。装飾過多を文化の無駄とし、機能・素材・簡潔さによる美を説いて、モダニズムの先駆となりました。

Q.

ラウムプランとは?

室を高さ方向にずらして立体的に構成する、ロースの空間計画の手法です。平面だけでなく断面でも空間を組み立てる考え方です。

まとめ

アドルフ・ロース『装飾と犯罪』(1908年)は、実用品から無用な装飾を排することを説き、モダニズム建築の先駆となりました。装飾過多のアール・ヌーヴォーやゼツェッションへの批判で、立体的なラウムプランでも知られる、と押さえます。

出典・参考

  • アドルフ・ロース『装飾と犯罪』(1908年、伊藤哲夫訳・ちくま学芸文庫ほか)。実用品からの装飾の排除、モダニズムの先駆、アール・ヌーヴォー・ゼツェッションへの批判、ラウムプラン。
  • 建築技術教育普及センター「一級建築士試験 学科の試験 学科I(計画)問題」。出題内容は公式問題に基づく。
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編集・解説

建築士試験 解説ノート編集部

建築業界の実務経験をもとに、一級・二級建築士試験の「計画」を出題傾向から整理しています。運営者情報

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