一級建築士 学科Ⅰ(計画)の各部の問題では、ガラスの種類とその性能がよく出ます。Low-E複層ガラス、網入板ガラス、強化ガラス、倍強度ガラス、合わせガラスの5つが中心です。名前と性能のペアがずれている記述が誤りになります。
とくに混同しやすいのが、強度と「割れ方・脱落のしにくさ」です。強度が高いことと割れても脱落しにくいことは別の性能です。ここを分けて覚えると、ひっかけを見抜けます。
| 種類 | 特徴と用途 |
|---|---|
| フロート板ガラス | 一般的な透明の板ガラス。比較の基準になる |
| Low-E複層ガラス | 中空層側のガラス面に特殊金属膜をコーティングした複層ガラス。日射取得型と日射遮蔽型を使い分け、冷暖房効率を高める |
| 網入板ガラス | 金属網を封入。破損しても破片が脱落しにくい(防火設備・飛散防止用)。強度はフロート板ガラスより高くない |
| 強化ガラス | 熱処理で強度を同厚の数倍に高めたもの。破損時は細かい粒状になる |
| 倍強度ガラス | フロートの約2倍の強度。強度は強化ガラスより低いが、破損時に細かい粒にならず破片が留まりやすいので、高所で脱落しにくい |
| 合わせガラス | 2枚以上の板ガラスで中間膜を挟み全面接着。破損時の飛散防止や開口部の防犯性能を高める |
強度の順は「強化ガラス > 倍強度ガラス > フロート板ガラス」。網入板ガラスは強度ではなく、割れても脱落しにくいのが特徴です。
網入板ガラスは、金属網が入っている分だけ、かえってフロート板ガラスより強度が下がります。網の役割は、割れたときに破片が落ちないようにすることです。「網入りだから強度が高い」と書いてあれば誤りです。
倍強度ガラスは強化ガラスより強度は低いですが、割れたときに細かい粒状にならず、破片が枠に留まりやすい性質があります。これが高所のガラスで「割れても落ちにくい」という利点になります。強化ガラスは強度が高い反面、割れると一気に粒状になります。
合わせガラスは、中間膜が破片を保持するので、飛散防止と防犯に向きます。Low-E複層ガラスは、断熱や日射遮蔽といった熱の性能を上げるもので、強度を上げるものではありません。
過去には次のような形で出ています(令和5年 計画 No.4 ほか)。性能の取り違えに注目してください。
| 正誤 | 記述 |
|---|---|
| × | 網入板ガラスは、同程度の厚さのフロート板ガラスよりも強度が高いので、耐風圧性能を高めることができる。 → 網入板ガラスの強度はフロート板ガラスより高くありません。割れても脱落しにくいのが特徴です |
| ○ | 倍強度ガラスは強化ガラスより強度は低いが、破損時に細かい粒状にならないので、高所で脱落しにくい効果が期待できる。 → 正しい |
| ○ | 合わせガラスは中間膜を挟んで全面接着したもので、破損時の飛散防止や防犯性能を高める。 → 正しい |
混同しやすい用語
網入板ガラスは強度を上げるものではなく、割れても破片が落ちにくくするものです。強化ガラスは熱処理で強度を高めたもので、割れると細かい粒状になります。
強度は強化ガラスのほうが高いです。倍強度ガラスは強度では劣りますが、割れても粒状にならず破片が留まりやすいので、高所での脱落防止に向きます。
網入板ガラスは、同じ厚さのフロート板ガラスより強度が高い。〇か×か。
×。網入板ガラスの強度はフロート板ガラスより高くありません。金属網は、割れても破片が脱落しにくくするためのものです。
倍強度ガラスは、強化ガラスよりも強度が高い。〇か×か。
×。強度は強化ガラスのほうが高いです。倍強度ガラスは割れても粒状にならず、高所で脱落しにくい点が利点です。
Low-E複層ガラスは、日射取得型と日射遮蔽型を使い分けて冷暖房効率を高められる。〇か×か。
〇。中空層側のガラス面に特殊金属膜をコーティングし、断熱や日射遮蔽の性能を高めます。
「強度(強化>倍強度>フロート)」と「脱落しにくさ(網入・倍強度・合わせ)」を分けて覚える。
網入板ガラスは強度が高いのではなく脱落しにくい。倍強度ガラスは強化より強度は低いが高所向き。Low-Eは熱の性能。これでガラスの記述は見分けられます。
参考(実ページで確認)
※ この記事の確認日:2026年6月