建築士試験 解説ノート

建築士試験 解説ノート
  1. HOME
  2. 過去問解説
  3. 一級建築士 計画
  4. > 木質系材料まとめ

木質系材料のまとめ【過去10年分】|一級建築士試験 計画の過去問・頻出ポイント

木質系材料は一級建築士 学科Ⅰ(計画)のNo.6〜7あたりで、近年ほぼ毎年1問出ます(CLT等の普及を背景に出題が増えたテーマです)。問われるのは各材料の「素材・つくり方・用途」の対応で、最頻出は繊維方向の入れ替え(集成材=平行とCLT=直交、LVL=軸材と合板=面材)です。塗装・腐朽・耐火部材もあわせて押さえます。

木質系材料は、素材(ひき板・単板・ストランド・繊維)と繊維方向(平行か直交か)と部材(軸材か面材か)の3点で整理する分野です。

誤りの選択肢は、もっともらしい文章のまま繊維方向や用途を別の材料のものにすり替えてきます。

だから「その材料は何を・どの向きに積んだものか」を取り違えないことが対策です。まず一覧で押さえます。

木質系材料は素材と方向でどう分かれるか

材料 素材 繊維方向・用途
集成材ひき板(ラミナ)繊維方向を平行に積層。柱・梁などの軸材(大断面・湾曲材・大スパン)
CLT(直交集成板)ひき板(ラミナ)繊維方向を直交に積層。床・壁のパネル(面材)
LVL(単板積層材)単板(ベニヤ)繊維方向を平行に積層。柱・梁などの軸材
構造用合板単板(ベニヤ)繊維方向を直交に積層。壁・屋根の面材(JAS特類は屋外・常時湿潤も可)
OSB木材のストランド配向した層を直交に積層。耐力壁などの面材
MDF(中密度繊維板)木材の繊維繊維を成形(方向性なし)。下地材・家具・面材

2つの軸で覚えます。素材は「ひき板>単板>ストランド>繊維」と細かくなる順、繊維方向は「平行=軸材/直交=面材」。集成材とCLTはどちらもひき板ですが、平行か直交かで軸材・面材に分かれます。

木材の塗装・保護

木部の塗装は、塗膜をつくる塗料しみ込む着色剤(ステイン)を区別します。

オイルステインは、染料・顔料を油性溶剤に溶かした浸透型の着色剤です。木材の内部にしみ込んで色を付け、表面に塗膜を形成しません。そのため塗膜による保護・耐久性向上は期待できず、屋外の木部保護には向きません。

一方、ポリウレタン樹脂塗料は光沢があり、付着性・耐摩耗性・耐水性に優れるため、フローリング(木床)などに使われます。

木材の劣化(腐朽・シロアリ)

木材を腐らせる木材腐朽菌の繁殖には、酸素・温度・水分・栄養源の4つが必要です。このうちいずれか1つを断てば腐朽を防げます(とくに水分管理が要)。

シロアリでは、ヤマトシロアリが湿潤で腐朽した木材を好み、被害は地面に近い建物下部や水回りに多く出ます。

木質系の耐火部材

木造を耐火建築物にするための耐火部材には、考え方の違う3タイプがあります。

  • 被覆型(メンブレン型):木材の周りを石こうボードなど無機質系建材で耐火被覆する
  • 燃え止まり型:木材の周りに燃え止まり層を設け、その外側に燃え代層を張る
  • 燃え代設計:燃えしろ(炭化する分)を見込んで断面を大きくし、内部の強度を保つ

過去問の出題一覧(一級建築士 計画)

計画の木質系材料は、繊維方向・用途・性質の取り違えが誤りの選択肢でした。CLT等の普及を背景に近年(R5〜R7)出題が増えたテーマで、それ以前は出題が薄めです(材料の力学性質は構造の木材で扱われます)。正解番号は建築技術教育普及センターの公表正答によります。

年度 No. 正解 論点/解説
令和7年(2025)62木材(オイルステインは塗膜なし)
令和6年(2024)71木質系材料(集成材=平行・CLT=直交)
令和5年(2023)62木質系材料及び工法(LVL=軸材)
令和元年(2019)153木材を活用した建築物 ※解説は順次追加予定
令和2〜4年・平成28〜30年計画での木質系材料の単独出題は薄め(環境配慮・各部構法の選択肢で一部)

直近3年の代表的な引っかけ:R7=オイルステインを「塗膜を形成し耐久性向上」(正=浸透型で塗膜なし)/R6=集成材を「繊維方向直交」(正=平行。直交はCLT)/R5=LVLを「面材」(正=柱・梁の軸材)。

混同しやすいポイント

集成材(平行・軸材) と CLT(直交・面材)

どちらもひき板(ラミナ)を積層しますが、集成材は繊維方向を平行にして柱・梁などの軸材に、CLTは直交にして床・壁のパネル(面材)に使います。「平行か直交か」が用途を決めます。

LVL(軸材) と 構造用合板(面材)

どちらも単板(ベニヤ)を積層しますが、LVLは繊維方向を平行にして軸材に、構造用合板は直交にして面材に使います。LVLを面材主用途とするのは誤りです。

塗膜型 と 浸透型(オイルステイン)

オイルステインは内部に浸透して着色する浸透型で、塗膜を形成しません。塗膜による保護・耐久性向上は、塗膜型の塗料の役割です。

まちがえやすいポイント

誤りの選択肢は繊維方向(平行・直交)を入れ替えたり、用途(軸材・面材)や塗装の性質をすり替えたりする形が多いです。

とくに「集成材=平行/CLT=直交」「LVL=軸材/合板=面材」「オイルステイン=塗膜なし」は常連。素材・繊維方向・用途を照合してください。

理解度チェック

Q.

構造用集成材は、ひき板を繊維方向が互いに直交となるように積層接着したものである。〇か×か。

×。集成材は繊維方向を平行に積層します。直交に積層するのはCLT(直交集成板)です。R6 No.7 の取り違えです。

Q.

LVL(単板積層材)は、主に耐力壁などの面材として使用される。〇か×か。

×。LVLは単板を繊維方向平行に積層した材で、主用途は柱・梁などの軸材です。面材は構造用合板やOSBが主です。R5 No.6 の引っかけです。

Q.

オイルステインは、木材の表面に塗膜を形成して耐久性を高める塗料である。〇か×か。

×。オイルステインは内部に浸透して着色する着色剤で、塗膜を形成しません。塗膜による保護・耐久性向上は期待できません。R7 No.6 の引っかけです。

Q.

木材腐朽菌の繁殖には酸素・温度・水分・栄養源が必要で、いずれか一つを断てば腐朽を防げる。〇か×か。

。4条件のうちどれか1つを除けば腐朽は防げます。実務では水分(湿気)の管理が要点です。

まとめ

木質系材料は「素材・繊維方向(平行/直交)・用途(軸材/面材)」をセットで固定して覚える。これが計画の木材問題の攻略です。

集成材=平行・軸材、CLT=直交・面材、LVL=軸材、合板=面材、オイルステインは塗膜なし。繊維方向と用途の入れ替えに気づけるようにしましょう。

一級建築士 計画の過去問一覧へ

参考(実ページで確認)

  • 集成材=ひき板を繊維方向平行に積層(軸材)/CLT=ひき板を繊維方向直交に積層(面材):CLT(直交集成板)の解説・森林総合研究所ほか
  • LVL=単板を繊維方向平行に積層(軸材)/構造用合板=単板を繊維方向直交に積層(面材)/OSB=ストランドの配向積層(面材)/MDF=中密度繊維板(方向性なし)
  • オイルステインは内部に浸透して着色する着色剤で塗膜を形成せず保護効果は期待できない/木材腐朽菌の繁殖条件は酸素・温度・水分・栄養源
  • 木質系耐火部材(被覆型=メンブレン型/燃え止まり型/燃え代設計)
  • 各論点の出題・正誤:自サイト過去問解説 kakomon-1k-keikaku-r5/r6/r7-no06・no07
建築士試験 解説ノート

編集・解説

建築士試験 解説ノート編集部

建築業界の実務経験をもとに、一級・二級建築士試験の「計画」を過去問の問われ方から整理しています。運営者情報

Topへ >>