木質系材料は一級建築士 学科Ⅰ(計画)のNo.6〜7あたりで、近年ほぼ毎年1問出ます(CLT等の普及を背景に出題が増えたテーマです)。問われるのは各材料の「素材・つくり方・用途」の対応で、最頻出は繊維方向の入れ替え(集成材=平行とCLT=直交、LVL=軸材と合板=面材)です。塗装・腐朽・耐火部材もあわせて押さえます。
木質系材料は、素材(ひき板・単板・ストランド・繊維)と繊維方向(平行か直交か)と部材(軸材か面材か)の3点で整理する分野です。
誤りの選択肢は、もっともらしい文章のまま繊維方向や用途を別の材料のものにすり替えてきます。
だから「その材料は何を・どの向きに積んだものか」を取り違えないことが対策です。まず一覧で押さえます。
| 材料 | 素材 | 繊維方向・用途 |
|---|---|---|
| 集成材 | ひき板(ラミナ) | 繊維方向を平行に積層。柱・梁などの軸材(大断面・湾曲材・大スパン) |
| CLT(直交集成板) | ひき板(ラミナ) | 繊維方向を直交に積層。床・壁のパネル(面材) |
| LVL(単板積層材) | 単板(ベニヤ) | 繊維方向を平行に積層。柱・梁などの軸材 |
| 構造用合板 | 単板(ベニヤ) | 繊維方向を直交に積層。壁・屋根の面材(JAS特類は屋外・常時湿潤も可) |
| OSB | 木材のストランド | 配向した層を直交に積層。耐力壁などの面材 |
| MDF(中密度繊維板) | 木材の繊維 | 繊維を成形(方向性なし)。下地材・家具・面材 |
2つの軸で覚えます。素材は「ひき板>単板>ストランド>繊維」と細かくなる順、繊維方向は「平行=軸材/直交=面材」。集成材とCLTはどちらもひき板ですが、平行か直交かで軸材・面材に分かれます。
木部の塗装は、塗膜をつくる塗料としみ込む着色剤(ステイン)を区別します。
オイルステインは、染料・顔料を油性溶剤に溶かした浸透型の着色剤です。木材の内部にしみ込んで色を付け、表面に塗膜を形成しません。そのため塗膜による保護・耐久性向上は期待できず、屋外の木部保護には向きません。
一方、ポリウレタン樹脂塗料は光沢があり、付着性・耐摩耗性・耐水性に優れるため、フローリング(木床)などに使われます。
木材を腐らせる木材腐朽菌の繁殖には、酸素・温度・水分・栄養源の4つが必要です。このうちいずれか1つを断てば腐朽を防げます(とくに水分管理が要)。
シロアリでは、ヤマトシロアリが湿潤で腐朽した木材を好み、被害は地面に近い建物下部や水回りに多く出ます。
木造を耐火建築物にするための耐火部材には、考え方の違う3タイプがあります。
計画の木質系材料は、繊維方向・用途・性質の取り違えが誤りの選択肢でした。CLT等の普及を背景に近年(R5〜R7)出題が増えたテーマで、それ以前は出題が薄めです(材料の力学性質は構造の木材で扱われます)。正解番号は建築技術教育普及センターの公表正答によります。
| 年度 | No. | 正解 | 論点/解説 |
|---|---|---|---|
| 令和7年(2025) | 6 | 2 | 木材(オイルステインは塗膜なし) |
| 令和6年(2024) | 7 | 1 | 木質系材料(集成材=平行・CLT=直交) |
| 令和5年(2023) | 6 | 2 | 木質系材料及び工法(LVL=軸材) |
| 令和元年(2019) | 15 | 3 | 木材を活用した建築物 ※解説は順次追加予定 |
| 令和2〜4年・平成28〜30年 | ― | ― | 計画での木質系材料の単独出題は薄め(環境配慮・各部構法の選択肢で一部) |
直近3年の代表的な引っかけ:R7=オイルステインを「塗膜を形成し耐久性向上」(正=浸透型で塗膜なし)/R6=集成材を「繊維方向直交」(正=平行。直交はCLT)/R5=LVLを「面材」(正=柱・梁の軸材)。
混同しやすいポイント
どちらもひき板(ラミナ)を積層しますが、集成材は繊維方向を平行にして柱・梁などの軸材に、CLTは直交にして床・壁のパネル(面材)に使います。「平行か直交か」が用途を決めます。
どちらも単板(ベニヤ)を積層しますが、LVLは繊維方向を平行にして軸材に、構造用合板は直交にして面材に使います。LVLを面材主用途とするのは誤りです。
オイルステインは内部に浸透して着色する浸透型で、塗膜を形成しません。塗膜による保護・耐久性向上は、塗膜型の塗料の役割です。
構造用集成材は、ひき板を繊維方向が互いに直交となるように積層接着したものである。〇か×か。
×。集成材は繊維方向を平行に積層します。直交に積層するのはCLT(直交集成板)です。R6 No.7 の取り違えです。
LVL(単板積層材)は、主に耐力壁などの面材として使用される。〇か×か。
×。LVLは単板を繊維方向平行に積層した材で、主用途は柱・梁などの軸材です。面材は構造用合板やOSBが主です。R5 No.6 の引っかけです。
オイルステインは、木材の表面に塗膜を形成して耐久性を高める塗料である。〇か×か。
×。オイルステインは内部に浸透して着色する着色剤で、塗膜を形成しません。塗膜による保護・耐久性向上は期待できません。R7 No.6 の引っかけです。
木材腐朽菌の繁殖には酸素・温度・水分・栄養源が必要で、いずれか一つを断てば腐朽を防げる。〇か×か。
〇。4条件のうちどれか1つを除けば腐朽は防げます。実務では水分(湿気)の管理が要点です。
木質系材料は「素材・繊維方向(平行/直交)・用途(軸材/面材)」をセットで固定して覚える。これが計画の木材問題の攻略です。
集成材=平行・軸材、CLT=直交・面材、LVL=軸材、合板=面材、オイルステインは塗膜なし。繊維方向と用途の入れ替えに気づけるようにしましょう。
参考(実ページで確認)
※ この記事の確認日:2026年6月
まちがえやすいポイント
誤りの選択肢は繊維方向(平行・直交)を入れ替えたり、用途(軸材・面材)や塗装の性質をすり替えたりする形が多いです。
とくに「集成材=平行/CLT=直交」「LVL=軸材/合板=面材」「オイルステイン=塗膜なし」は常連。素材・繊維方向・用途を照合してください。