PFIとは、民間の資金とノウハウで公共施設を整備・運営する手法です。
その進め方(事業方式)は、施設の所有権を公共へ移すタイミングで BOT・BTO・BOO などに分かれます。
試験で問われるのは、この所有権の移転タイミングと、似た名前のコンセッション方式との違いです。間違いは、移転の順序を入れ替えた選択肢が中心です。
PFIは、より広い概念であるPPP(公民連携)の一つです。PPPは、公共サービスに民間が参画する手法を幅広くとらえた考え方です。
PFIの事業方式は、頭文字のB(Build=建てる)・O(Operate=運営する)・T(Transfer=所有権を移す)・O(Own=所有する)の並びで表します。Tがどこに来るかで、公共へ所有権を移すタイミングが変わります。
新設を対象とする3方式は、供用開始後(工事完成後)に施設を所有するのが公共か民間かが分かれます。
| 方式 | 頭文字の意味(順序) | 供用開始後の所有者 |
|---|---|---|
| BTO | 建てて → 所有権を移して → 運営する | 公共(地方公共団体) |
| BOT | 建てて → 運営して → 最後に所有権を移す | 民間(契約期間中) |
| BOO | 建てて → 所有して → 運営する(移さない) | 民間 |
| RO | 既存施設を改修して運営する(新設ではない) | ― |
つまり、BTOは先に公共へ渡すので供用後は公共のもの、BOTは運営してから渡すので期間中は民間のもの、BOOは渡しません。この順序が入れ替わると誤りになります。
コンセッションは、利用料金の徴収を行う公共施設について、施設の所有権を公共主体が持ったまま、運営権だけを民間事業者に設定する方式です。
BOTやBOOと違い、所有権は民間に移りません。施設は公共のもののまま、運営する権利だけを民間に渡す、と押さえます。
一級建築士 計画では、毎年No.20前後の建築マネジメントで問われます。問題文は建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。
| 年度・No. | 問われ方/引っかけ |
|---|---|
| 一級 令和6年 No.20 | BOT方式を「完成直後に公共へ所有権を移転し民間が運営」とした=誤り(それはBTOの説明) |
| 一級 令和3年 No.20 | コンセッションを「所有権と運営権を民間へ移行」とした=誤り(所有権は公共のまま) |
| 一級 令和2年 No.20 | BTO方式=完成直後に公共へ所有権を移転し民間が運営(正しい記述) |
| 一級 平成28年・平成30年 No.20 | SPC(特別目的会社)=その事業専用・PFI以外の投資はせず契約終了で解散(正しい記述) |
| 一級 令和7年 No.20 | PPP=公共サービスに民間が参画する手法を幅広くとらえた概念(正しい記述) |
施設の完成直後に公共へ所有権を移し、民間が運営する方式はBOT?
違います。先に所有権を移すのはBTOです。BOTは運営してから、契約期間の終了後に所有権を移します。
コンセッション方式では、施設の所有権も民間に移る?
移りません。所有権は公共主体が持ったままで、民間に設定するのは運営権だけです。利用料金を徴収する公共施設が対象です。
BOO方式では、契約期間が終わると公共へ所有権を移す?
移しません。BOOはBuild-Own-Operateで、民間が所有したまま運営を続ける方式です。所有権を移すのはBTO・BOTです。
PFIの事業方式は、所有権を公共へ移すタイミングで分かれます。BTOは先に移し、BOTは最後に移し、BOOは移さない。コンセッションは所有権を公共に残し、運営権だけを民間に設定します。試験では、この移転の順序と所有権の所在の入れ替えに注意します。
出典・参考
※ このページの確認日:2026年6月
まちがえやすいポイント
最大の引っかけはBOTとBTOの取り違えです。所有権を「先に移す」のがBTO、「最後に移す」のがBOT。完成直後に公共へ移すならBTOで、これをBOTと書いてあれば誤りです。
コンセッションは、施設の所有権が民間に移ると書いてあれば誤りです。所有権は公共のままで、移すのは運営権だけです。