令和4年度 一級建築士試験 学科III(法規)No.5は、建築基準法の単体規定に関する問題です。
この問題では、4つの記述のうち、誤っているものを選びます。
※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その4つの記述で問われている論点を整理したものです。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 構造耐力上主要な部分の指定建築材料は、JIS・JAS適合品又は大臣認定品とする(法37条)。正しい記述です。 |
| 2 | ○(正しい) | 階段に代わる傾斜路は階段の幅の規定が準用され、手すりは10cmを限度に幅に算入する。側壁間125cm以上は妥当。正しい記述です。 |
| 3 | ○(正しい) | 第三種ホルムアルデヒド発散建築材料は、使用面積に所定の数値を乗じた値を居室の床面積以下とする。正しい記述です。 |
| 4 | ×(誤り) | 遮音性能(25/40/50dB)の規定は界壁のもの。防火上主要な間仕切壁には遮音性能の規定はない。 |
選択肢4は、防火上主要な間仕切壁に遮音性能を求める点が誤りで、遮音性能は長屋・共同住宅の界壁の規定です。
選択肢4は「老人福祉施設の防火上主要な間仕切壁で、小屋裏又は天井裏に達する準耐火構造としたものは、125Hz・500Hz・2,000Hzの音に対してそれぞれ透過損失25dB・40dB・50dB以上の遮音性能としなければならない」としています。どの壁に遮音性能が求められるかが論点です。
透過損失の数値で表される遮音性能は、長屋・共同住宅で各戸を仕切る界壁に課される基準です(令22条の3)。隣の住戸の生活音を遮るための規定です。
これに対し、病院・児童福祉施設・ホテル・老人福祉施設などに設ける防火上主要な間仕切壁(令114条2項)は、火災が部屋から部屋へ燃え広がるのを食い止めるための防火の規定で、準耐火構造として小屋裏・天井裏まで立ち上げます。目的は防火であって、遮音ではありません。同じ「壁」でも規定の趣旨が違うので、遮音性能を持ち込むのは誤りです。遮音=界壁/防火上主要な間仕切壁=防火と切り分けて押さえましょう。
透過損失で表す遮音性能の規定は、界壁と防火上主要な間仕切壁のどちらに課される?
界壁です。遮音性能は長屋・共同住宅の界壁の規定(令22条の3)で、防火上主要な間仕切壁(令114条)は防火の規定であり遮音性能は求められません。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月
正解:選択肢4(これが誤っている記述)
遮音性能を求められるのは「界壁」であって、防火上主要な間仕切壁ではないんです。透過損失25dB・40dB・50dB(125・500・2,000Hz)という遮音性能の数値は、長屋・共同住宅の各戸を仕切る界壁に課される基準です(令22条の3)。
一方、老人福祉施設などに設ける防火上主要な間仕切壁(令114条2項)は、火災の延焼を防ぐための防火の規定であって、遮音性能は求められていません。選択肢4は防火上主要な間仕切壁に遮音性能を要求しているので誤りなんですね。遮音性能は界壁の規定/防火上主要な間仕切壁には課されないと押さえましょう。