建築士試験 解説ノート

建築士試験 解説ノート
  1. HOME
  2. 過去問解説
  3. 一級建築士 法規
  4. 令和6年
  5. > No.3 建築基準法(一般)

令和6年度 一級建築士 法規 No.3を解説、施工中安全措置の届出者・超高層の適合性判定を見抜くポイント

令和6年度 一級建築士試験 学科III(法規)No.3は、建築基準法の手続き規定(確認申請・施工中の使用・構造計算適合性判定)に関する問題です。

この問題では、4つの記述のうち、建築基準法上、誤っているものを選びます。

この問題で問われていること

  1. 原動機を使用する観覧車の築造に確認済証が必要か(法6条1項4号・令138条)
  2. 施工中の安全措置計画の届出義務者は誰か(法90条の3)
  3. 高さ60m超で大臣認定を受けた建築物に構造計算適合性判定が必要か(法6条の3)
  4. 避難施設等の工事を含む増築部分の使用開始の時期(法7条の6)

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その4つの記述で問われている論点を整理したものです。

正解:選択肢2(これが誤っている記述)

法第90条の3(施工中における安全措置に関する計画の届出)では、第6条第1項第1号から第3号に掲げる建築物の避難施設等に関する工事の施工中に当該建築物を使用する場合、届出義務を負うのは工事施工者なんです。

ところが選択肢2は「建築主が届け出なければならない」としており、ここが誤りです。施工中の安全確保の義務は工事施工者に課されるのであって、建築主ではないということです。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(正しい) 原動機を使用する観覧車の築造は令138条第2項第2号の工作物に該当し、確認済証の交付が必要です(法6条1項4号・令138条)。正しい記述です。
2 ×(誤り) 法90条の3の安全措置計画の届出義務者は工事施工者です。「建築主は届け出なければならない」は誤りです。
3 ○(正しい) 高さ60m超の建築物は法第20条第1号の大臣認定が必要ですが、大臣認定を受ければ構造計算適合性判定(法6条の3)は不要です(法6条の3第1項ただし書き)。正しい記述です。
4 ○(正しい) 鉄骨造・地上8階建て共同住宅の避難施設等に関する工事を含む増築は、原則として検査済証の交付を受けた後でなければ当該部分を使用できません(法7条の6)。正しい記述です。

選択肢2は、「建築主が、あらかじめ特定行政庁に届け出なければならない」とする点が誤りで、法第90条の3の届出義務者は建築主ではなく工事施工者です。

選択肢2のポイント

法第90条の3は、第6条第1項第1号から第3号までに掲げる建築物の避難施設等に関する工事の施工中に、その建築物を使用するときの安全措置計画の届出を定めた規定なんです。

この届出義務を負うのは工事施工者です。問題の病院(延べ3,000m²・地上3階建て)は法6条1項第1号の特殊建築物に当たりますが、だからといって届出の主体が建築主になるわけではありません。「建築主が届け出る」とした選択肢2は誤りということです。

法第90条(工事現場の危害防止)でも同じく義務の主体は「工事施工者」とされていますね。施工中の安全確保は、現に工事を行う施工者の責任というわけです。

覚え方

  • 施工中の安全措置(法90条系)の義務主体 → 工事施工者(建築主ではない)
  • 法90条の3の届出も「誰が届け出る?」→ 施工者と答える
  • 高さ60m超で大臣認定(法20条1号)を受ければ → 構造計算適合性判定は不要
Q.

法第90条の3の施工中安全措置計画の届出義務者は誰か。

工事施工者です。建築主ではありません。施工中の安全確保は工事を行う施工者が義務を負います。

令和6年 一級建築士 法規 過去問解説 一覧へ

出典

  • 建築技術教育普及センター「令和6年度 一級建築士試験 学科の試験 学科III(法規)問題」
  • 建築基準法第90条の3(施工中における安全措置に関する計画の届出)
  • 建築基準法第6条の3(構造計算適合性判定)、第20条(構造耐力)
建築士試験 解説ノート

編集・解説

建築士試験 解説ノート編集部

建築業界の実務経験をもとに、一級・二級建築士試験の「法規」を過去問から整理しています。運営者情報

▼令和6年 一級建築士 法規▼

▼他の年度▼

▼過去問一覧▼

Topへ >>