建築士試験 解説ノート

建築士試験 解説ノート
  1. HOME
  2. 過去問解説
  3. 一級建築士 法規
  4. 令和4年
  5. > No.7 避難施設(適合しないもの)

令和4年度 一級建築士 法規 No.7を解説、避難施設に関する適合しない建築物を見抜くポイント

令和4年度 一級建築士試験 学科III(法規)No.7は、避難施設(直通階段の数)に関する問題です。

この問題では、4つの建築物のうち、建築基準法に適合しないものを選びます。いずれも各階を当該用途に供し、避難階は1階とします。

この問題で問われていること

  1. ホテルの宿泊室と2以上の直通階段(令121条)
  2. 物品販売業の店舗の売場と2以上の直通階段
  3. 共同住宅の住戸と2以上の直通階段
  4. 事務所での避難上有効なバルコニー・屋外避難階段による緩和

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その4つの記述で問われている論点を整理したものです。

正解:選択肢2(これが適合しない建築物)

物販店舗の売場のある階は、階段1本では足りないんです。令121条は、その階の居室(売場)の床面積が一定以上になると、2以上の直通階段を求めます。

物品販売業の店舗の売場については、主要構造部が耐火構造で避難階の直上階のとき、その階の売場の床面積が400m²を超えると2以上必要です。選択肢2は2階の売場が450m²あり400m²を超えるのに直通階段が1か所なので、適合しないんですね。物販店舗の売場のある階は床面積が大きいと2以上の直通階段と押さえましょう。

各選択肢の正誤

選択肢 適否 解説
1 適合 ホテルの各階の宿泊室は8室×25m²=200m²。耐火構造で各階とも閾値内のため直通階段1か所でよい。適合。
2 適合しない 物販店舗の2階売場450m²は、耐火構造の直上階の閾値400m²を超えるため2以上の直通階段が必要。1か所は不適合。
3 適合 共同住宅の各階の住戸の居室は4戸×50m²=200m²。耐火構造で閾値内のため直通階段1か所でよい。適合。
4 適合 事務所で各階居室200m²、避難上有効なバルコニー+避難階段の構造の屋外直通階段を設けており、1か所でよい。適合。

選択肢2は、物販店舗の2階売場450m²に直通階段が1か所である点が適合せず、2以上の直通階段が必要です。

選択肢2のポイント

選択肢2は「耐火構造の延べ1,200m²、2階建ての物品販売業を営む店舗で、2階の売場の床面積の合計が450m²のものに直通階段を1か所設けた」です。売場のある階に直通階段が1本で足りるかが論点です。

令121条は、その階の用途と居室の床面積に応じて2以上の直通階段を要求します。物品販売業の店舗の売場は、その対象に含まれます。床面積の判定値は、主要構造部が耐火構造(準耐火構造・不燃材料を含む)かどうか、避難階の直上階かどうかで変わります。

この建物は耐火構造で、2階は避難階(1階)の直上階です。この場合、その階の売場の床面積が400m²を超えると2以上の直通階段が必要になります。450m²はこれを超えるので、直通階段は2か所以上設けなければならず、1か所では不適合です。なお延べ1,500m²を超える店舗なら、別の規定(令121条1項二号)でも2以上が求められます。耐火の直上階で売場400m²超→2以上の直通階段と押さえておきましょう。

覚え方

  • 物販店舗の売場のある階は床面積が大きいと2以上の直通階段(令121条)
  • 耐火構造(準耐火・不燃含む)で避難階の直上階=その階の居室400m²超で2以上
  • 判定値は「耐火かどうか」「避難階の直上階かどうか」で変わる
  • 避難上有効なバルコニー+屋外避難階段があれば直通階段1か所でよい場合がある

一問一答

Q.

耐火構造2階建ての物販店舗で、2階の売場が450m²のとき、直通階段は1か所でよい?

よくありません。耐火構造の避難階直上階では、その階の売場が400m²を超えると2以上の直通階段が必要です(令121条)。450m²は超えるため1か所では不適合です。

令和4年 一級建築士 法規 過去問解説 一覧へ

出典

  • 建築技術教育普及センター「令和4年度 一級建築士試験 学科の試験 学科III(法規)問題」
  • 建築基準法施行令第121条(2以上の直通階段を設ける場合)
建築士試験 解説ノート

編集・解説

建築士試験 解説ノート編集部

建築業界の実務経験をもとに、一級・二級建築士試験の「法規」を過去問から整理しています。運営者情報

▼令和4年 一級建築士 法規▼

▼他の年度▼

▼過去問一覧▼

Topへ >>