建築士試験 解説ノート

建築士試験 解説ノート
  1. HOME
  2. 過去問解説
  3. 一級建築士 法規
  4. 令和4年
  5. > No.10 建築設備

令和4年度 一級建築士 法規 No.10を解説、建築設備に関する誤りを見抜くポイント

令和4年度 一級建築士試験 学科III(法規)No.10は、建築設備に関する問題です。

この問題では、4つの記述のうち、誤っているものを選びます。

この問題で問われていること

  1. 高さ31m超の部分の区画と非常用エレベーターの免除
  2. 地下街の排煙設備の中央管理室での監視
  3. 調理室の換気設備を省略できる開口面積(令20条の3)
  4. 全館避難安全検証法と非常用照明の関係

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その4つの記述で問われている論点を整理したものです。

正解:選択肢3(これが誤っている記述)

開口は「1/10以上」だけでなく、最低でも0.8m²が要るんです。住戸の調理室で換気設備を省略するには、発熱量の合計が12kW以下で、かつ有効開口面積が床面積の1/10以上、しかも0.8m²以上であることが必要です(令20条の3)。

この調理室は床面積7m²なので、1/10は0.7m²ですが、下限の0.8m²に届きません。実際の開口も0.7m²で0.8m²に満たないため、換気設備を省略できません。選択肢3は「設けなくてよい」としているので誤りなんですね。調理室の換気省略は有効開口0.8m²以上が必要と押さえましょう。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(正しい) 高さ31m超の部分の階数が4以下で、100m²以内ごとに耐火構造の床壁・特定防火設備で区画すれば非常用EVは不要。正しい記述です。
2 ○(正しい) 地下街の排煙設備の制御・作動状態の監視は中央管理室で行えるものとする。正しい記述です。
3 ×(誤り) 調理室の換気省略には有効開口面積が床面積の1/10以上かつ0.8m²以上が必要。0.7m²では不足で換気設備が要る。
4 ○(正しい) 全館避難安全検証法で確認しても、非常用の照明装置は検証の対象外で設置が必要。正しい記述です。

選択肢3は、有効開口面積0.7m²で換気設備を省略できるとする点が誤りで、0.8m²以上が必要です。

選択肢3のポイント

選択肢3は「発熱量の合計が8kWの火を使用する器具を設けた床面積7m²の調理室に、0.7m²の有効開口面積を有する窓を換気上有効に設けた場合、換気設備は設けなくてよい」としています。換気設備を省略できる開口面積の条件が論点です。

床面積100m²以内の住宅・住戸の調理室では、発熱量の合計が12kW以下で、かつ換気上有効な開口部を設ければ、換気設備を省略できます(令20条の3)。この調理室は発熱量8kWで12kW以下なので、ここは問題ありません。

ポイントは開口面積です。必要な有効開口面積は「床面積の1/10以上」ですが、それが0.8m²に満たないときは0.8m²以上とされます。床面積7m²の1/10は0.7m²で0.8m²に届かないため、下限の0.8m²が必要です。設けた開口は0.7m²でこれに足りないので、換気設備を省略できません。発熱量に目を奪われず、開口面積の下限0.8m²を確認するのがコツです。調理室の換気省略は開口0.8m²以上が下限と押さえておきましょう。

覚え方

  • 住戸の調理室で換気設備を省略=発熱量12kW以下かつ有効開口が床面積の1/10以上・0.8m²以上
  • 1/10が0.8m²未満なら下限の0.8m²が必要(7m²なら0.7m²でなく0.8m²)
  • 密閉式燃焼器具等のみなら換気設備不要
  • 全館避難安全検証法で確認しても非常用照明は別途必要

一問一答

Q.

床面積7m²の住戸の調理室で換気設備を省略するには、有効開口面積は何m²以上必要?

0.8m²以上です。必要面積は床面積の1/10(7m²なら0.7m²)以上ですが、0.8m²未満のときは0.8m²以上が必要なので、0.7m²では足りません。

令和4年 一級建築士 法規 過去問解説 一覧へ

出典

  • 建築技術教育普及センター「令和4年度 一級建築士試験 学科の試験 学科III(法規)問題」
  • 建築基準法施行令第20条の3(火を使用する室の換気設備)
建築士試験 解説ノート

編集・解説

建築士試験 解説ノート編集部

建築業界の実務経験をもとに、一級・二級建築士試験の「法規」を過去問から整理しています。運営者情報

Topへ >>