令和4年度 一級建築士試験 学科III(法規)No.11は、建築物の構造計算に関する問題です。
この問題では、4つの記述のうち、誤っているものを選びます。
※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その4つの記述で問われている論点を整理したものです。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 保有水平耐力計算(いわゆるルート3)で安全性を確かめれば、その上位の検証なので許容応力度等計算は不要。正しい記述です(令81条2項)。 |
| 2 | ○(正しい) | 偏心率15/100以下の確認は許容応力度等計算(ルート2)の要件。保有水平耐力計算ではこの確認は不要。正しい記述です。 |
| 3 | ○(正しい) | 標準せん断力係数は許容応力度等計算で0.2以上(一定の地盤の木造等は0.3以上)、必要保有水平耐力の計算で1.0以上。正しい記述です(令88条)。 |
| 4 | ×(誤り) | 限界耐力計算では地震時を許容応力度で確認するのではなく、損傷限界・安全限界で検討する。地震時を許容応力度で確かめるのは許容応力度計算。 |
選択肢4は、限界耐力計算で地震時の応力度も許容応力度を超えないことを確かめるとする点が誤りで、地震に対しては損傷限界・安全限界で検討します。
選択肢4は「限界耐力計算を行う場合、長期(常時及び積雪時)及び短期(積雪時、暴風時及び地震時)の各応力度が、それぞれ各許容応力度を超えないことを確かめなければならない」としています。限界耐力計算で何を確かめるのかが論点です。
限界耐力計算(令82条の5)は、地震に対しては許容応力度の確認を行いません。地震時を除いた常時・積雪時・暴風時については令82条の許容応力度の確認を行いますが、地震については、稀に発生する地震で各部が損傷しない損傷限界と、極めて稀に発生する地震で倒壊・崩壊しない安全限界を確かめます。
つまり、地震時の応力度を「許容応力度を超えないこと」で確かめるのは許容応力度計算のやり方で、限界耐力計算とは検証の仕組みが違うんです。選択肢4は短期の中に地震時を含めて許容応力度で確認するとしているため誤りです。許容応力度計算・保有水平耐力計算・限界耐力計算で、地震に対する確かめ方が違う点を押さえるのがコツですね。限界耐力計算の地震時は損傷限界・安全限界で検討と覚えておきましょう。
限界耐力計算では、地震に対する安全性をどのように確かめる?
損傷限界と安全限界で確かめます。許容応力度で確認するのは地震時を除く常時・積雪時・暴風時で、地震時を許容応力度で確かめるのは許容応力度計算のやり方です。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月
正解:選択肢4(これが誤っている記述)
限界耐力計算では、地震に対しては許容応力度ではなく、損傷限界と安全限界で安全性を確かめるんです。地震時の応力度を「各許容応力度を超えないことを確かめる」のは許容応力度計算のやり方であって、限界耐力計算のものではありません。
限界耐力計算(令82条の5)では、地震時を除いた常時・積雪時・暴風時については令82条の許容応力度の確認を行いますが、地震については稀に起こる地震での損傷限界、極めて稀に起こる地震での安全限界で検討します。選択肢4は短期の中に「地震時」を含めて許容応力度で確かめるとしているので誤りなんですね。限界耐力計算の地震時は損傷限界・安全限界で検討と押さえましょう。