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令和5年度 一級建築士 法規 No.29を解説、用途変更の完了手続を見抜くポイント

令和5年度 一級建築士試験 学科III(法規)No.29は、延べ面積2,000m²の寄宿舎を有料老人ホームに用途変更する場合の各種法令の適用に関する問題です。

この問題では、4つの記述のうち、誤っているものを選びます。

この問題で問われていること

  1. 用途変更で特別特定建築物となる場合の移動等円滑化基準への適合
  2. 用途変更後に非常用照明装置が必要な居室への設置(法87条で準用)
  3. 用途変更後の消防用設備等を変更後の基準に適合させること(消防法17条の2の5)
  4. 用途変更の工事完了後の手続き(完了検査の申請か工事完了の届出か)(法87条)

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その4つの記述で問われている論点を整理したものです。

正解:選択肢4(これが誤っている記述)

用途変更で200m²を超える特殊建築物にする場合は、建築確認の手続きが準用されます(法第87条)。ただし、新築等と違って完了検査の規定は準用されません

その代わり、用途変更の工事を完了したときは、建築主事に工事完了の届出を行います。完了検査の申請ではなく届出なので、「完了検査の申請を行う」とした選択肢4が誤りということです。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(正しい) 2,000m²の有料老人ホームは特別特定建築物。用途変更で該当する場合、廊下・階段・便所等の建築物特定施設を移動等円滑化基準に適合させます。正しい記述です。
2 ○(正しい) 用途変更後に非常用の照明装置が必要な居室となる場合は、原則として当該居室に非常用照明を設けます(法87条で準用)。正しい記述です。
3 ○(正しい) 消防用設備等は、用途変更後の設置基準に適合させなければなりません(消防法17条の2の5)。特定防火対象物では遡及が及び、正しい記述です。
4 ×(誤り) 用途変更では完了検査の申請ではなく、工事を完了したときに建築主事へ届け出ます(法87条)。完了検査の申請とした点が誤りです。

選択肢4は、「用途変更の工事完了後は完了検査の申請を行わなければならない」とする点が誤りで、正しくは建築主事への工事完了の届出です。

選択肢4のポイント

選択肢4は、用途変更の工事完了後の手続きについての記述なんです。

用途変更で確認を要する場合、工事に着手する前に建築確認の申請を行う点は正しいです。しかし工事完了後については、完了検査の申請ではなく、建築主事に対して工事を完了した旨を届け出ることになっています(法第87条)。完了検査の規定は用途変更には準用されないんです。

ですから完了検査の申請を行うとした選択肢4は誤りということです。確認は準用されるが完了検査は準用されない、という点が論点ですね。

覚え方

  • 用途変更の手続き → 確認は準用される、完了検査は準用されない(完了は届出)。新築・増築は完了検査
  • 用途変更時 → 消防用設備等は変更後の基準に遡及、バリアフリー・非常用照明等の規定が準用される
Q.

用途変更の確認を要する場合、工事完了後に行うのは完了検査の申請?

違います。完了検査の申請ではなく、建築主事への工事完了の届出です(法87条)。完了検査の規定は用途変更には準用されません。

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出典

  • 建築技術教育普及センター「令和5年度 一級建築士試験 学科の試験 学科III(法規)問題」
  • 建築基準法第87条(用途の変更に対するこの法律の準用)
  • 消防法第17条の2の5、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律第14条
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編集・解説

建築士試験 解説ノート編集部

建築業界の実務経験をもとに、一級・二級建築士試験の「法規」を過去問から整理しています。運営者情報

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