建築士試験 解説ノート

建築士試験 解説ノート
  1. HOME
  2. 過去問解説
  3. 一級建築士 法規
  4. 令和6年
  5. > No.21 工事監理(建築士法)

令和6年度 一級建築士 法規 No.21を解説、工事監理の報告先は特定行政庁ではなく建築主である理由

令和6年度 一級建築士試験 学科III(法規)No.21は、建築士が行う工事監理に関する建築士法の規定についての問題です。

この問題では、4つの記述のうち、建築士法上、誤っているものを選びます。

この問題で問われていること

  1. 工事監理受託契約締結時に交付する書面の記載事項(建築士法22条の3の3)
  2. 報酬基準に準拠した委託代金で契約するよう努める義務(建築士法25条)
  3. 免許証の提示と工事監理報告書の建築主への提出(建築士法18条3項・5項)
  4. 工事が設計図書どおりでなく施工者が従わないときの報告先(建築士法18条4項)

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その4つの記述で問われている論点を整理したものです。

正解:選択肢4(これが誤っている記述)

建築士法第18条第4項では、工事監理を行う建築士は、工事が設計図書のとおりに実施されていないと認めるとき、直ちに工事施工者にその旨を指摘し、設計図書どおりに実施するよう求めることとされています。

工事施工者がこれに従わないときの報告先は建築主なんです。建築主が特定行政庁等に通知する流れになります。ですから「特定行政庁に報告しなければならない」とした選択肢4は誤りで、監理者の報告先はまず建築主ということです。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(正しい) 延べ300m2超の建築物の新築に係る工事監理受託契約締結に際して、報告方法・監理に従事する建築士の氏名等を記載した書面を交付しなければなりません(建築士法22条の3の3)。正しい記述です。
2 ○(正しい) 工事監理受託契約を締結しようとする者は、国土交通大臣が定めた報酬の基準に準拠した委託代金で締結するよう努めなければなりません(建築士法25条)。正しい記述です。
3 ○(正しい) 工事監理を行う建築士は委託者から求められたときに免許証等を提示し、工事監理を終了したときは直ちに工事監理報告書を建築主に提出しなければなりません(建築士法18条3項・5項)。正しい記述です。
4 ×(誤り) 工事施工者が設計図書どおりの施工に従わないとき、工事監理建築士は建築主に報告します(建築士法18条4項)。「特定行政庁に報告」は誤りです。

選択肢4は、「当該工事施工者がこれに従わないときは、その旨を特定行政庁に報告しなければならない」とする点が誤りで、報告先は建築主です。

選択肢4のポイント

建築士法第18条第4項では、工事監理を行う建築士は、工事が設計図書のとおりに実施されていないと認めるときは「直ちに、工事施工者に対して、その旨を指摘し、当該工事を設計図書のとおりに実施するよう求め、当該工事施工者がこれに従わないときは、その旨を建築主に報告しなければならない」とされています。

特定行政庁への通知は建築主が行うものです。「特定行政庁に報告しなければならない」とした選択肢4の記述は誤りということです。

覚え方

  • 工事監理建築士の対応フロー(建築士法18条4項) → ①設計図書どおりでない→施工者へ指摘 ②従わない→建築主に報告
  • 特定行政庁への通知は建築主が対応。工事監理建築士に特定行政庁への直接報告義務はない
Q.

工事が設計図書どおりでなく施工者が改善に従わない場合、工事監理建築士はどこに報告するか。

建築主に報告します(建築士法第18条第4項)。特定行政庁への報告・通知は建築主が対応します。工事監理建築士が直接特定行政庁に報告する義務はありません。

令和6年 一級建築士 法規 過去問解説 一覧へ

出典

  • 建築技術教育普及センター「令和6年度 一級建築士試験 学科の試験 学科III(法規)問題」
  • 建築士法第18条(工事監理)
  • 建築士法第22条の3の3(工事監理受託契約等の書面の交付)
建築士試験 解説ノート

編集・解説

建築士試験 解説ノート編集部

建築業界の実務経験をもとに、一級・二級建築士試験の「法規」を過去問から整理しています。運営者情報

Topへ >>