令和6年度 一級建築士試験 学科I(計画)No.6は、さや管ヘッダー工法・BCP・排水管の更新・検査済証のない建物の調査など、建築物を長く使うための計画に関する問題です。
この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。
※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その4つの記述で問われている論点を整理したものです。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(適当) | さや管ヘッダー工法で、ヘッダーを設けた洗面室の床下から集中的に点検・更新できる計画は、更新性に優れます。適当な記述です。 |
| 2 | ○(適当) | BCP策定に当たり、サテライトオフィスで事業拠点を分散するのは、災害時の事業継続に有効です。適当な記述です。 |
| 3 | ×(不適当) | 共用の排水立管・PSは共用部から点検・更新できる計画とすべきです。専有部から点検する計画は更新性に劣り、不適当です。 |
| 4 | ○(適当) | 検査済証のない建物の耐震改修で、確認済証添付図書を用いて図上・現地調査を行い適合状況を確認するのは適切です。適当な記述です。 |
選択肢3の「排水管及びパイプシャフトは専有部から点検する計画」という記述が誤りで、共用の排水立管・パイプシャフトは共用部から点検・更新できる計画とするのが原則です。
選択肢3は、高層集合住宅の排水管の更新計画に関する記述です。各階で更新できるよう特殊継手排水システムを採用すること自体は適切ですが、問題は点検のしかたです。集合住宅の共用の排水立管やパイプシャフトは、複数の住戸にまたがる共用部なんです。
これを「専有部から点検する計画」とすると、更新のたびに各住戸への立入りが必要になり、維持管理が困難になります。共用設備は共用部(共用廊下側など)から点検・更新できるようにするのが長期利用(更新性)の原則で、ここが誤りです。
ザックリ言えば、共用設備は共用部から点検・更新できるようにということです。共用立管を「専有部から点検」とする計画は更新性に反すると見抜けます。
集合住宅の共用排水立管は、どこから点検・更新できるようにする?
各住戸(専有部)に立ち入らずに済むよう、共用部(共用廊下側など)から点検・更新できるようにします。専有部からしか点検できないと、更新時に全戸の立入りが必要で維持管理が困難になります。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月
正解:選択肢3(これが最も不適当な記述)
集合住宅の共用の排水立管やパイプシャフトは、住戸の所有・使用に関わらず維持管理が必要な部分です。だからこそ、各住戸(専有部)に立ち入らなくても、共用廊下側など共用部から点検・更新できるように計画するのが、長期利用(更新性)の原則です。
選択肢3は、特殊継手排水システム自体は適切ですが、「排水管及びパイプシャフトは専有部から点検する計画」としている点が問題です。専有部からしか点検できないと、更新のたびに各戸の在宅・立入りが必要になり、維持管理が困難になります。よって不適当なんですね。