建築士試験 解説ノート

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令和7年度 一級建築士 計画 No.5を解説、法定耐用年数と建築物の寿命に関する誤りを見抜くポイント

令和7年度 一級建築士試験 学科I(計画)No.5は、空き家対策・建設リサイクル法・長期優良住宅・法定耐用年数といった、既存ストックの活用と資源循環に関わる問題です。

この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

この問題で問われていること

  1. 空き家の現状(令和5年住宅・土地統計調査)
  2. 建設リサイクル法の特定建設資材(4品目)
  3. 長期優良住宅の維持保全計画
  4. 法定耐用年数の意味

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その4つの記述で問われている論点を整理したものです。

正解:選択肢4(これが最も不適当な記述)

法定耐用年数は、「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」で定められた、税務上の減価償却費を計算するための年数です。資産の取得費を何年に分けて費用計上するか、という会計・税務上の区切りなんですね。

つまり法定耐用年数は、建築物が実際に使える期間(物理的な寿命)を規定したものではないわけです。鉄筋コンクリート造の住宅なら法定耐用年数は47年ですが、適切な維持保全をすればそれを超えて居住できます。選択肢4は、これを「居住用途として使用できる期間が規定されている」と取り違えているため不適当なんです。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(適当) 令和5年住宅・土地統計調査では、空き家は全国で約900万戸。有効活用や適切な管理の総合的な強化が課題とされています。適当な記述です。
2 ○(適当) 建設リサイクル法の特定建設資材は、コンクリート/コンクリート及び鉄から成る建設資材/木材/アスファルト・コンクリートの4品目です。適当な記述です。
3 ○(適当) 長期優良住宅の認定には、構造耐力上主要な部分・雨水浸入防止部分・給排水設備等の維持保全計画の策定が必要です。適当な記述です。
4 ×(不適当) 法定耐用年数は税務上の減価償却を計算するための年数で、建築物を使用できる期間(寿命)を定めたものではありません。不適当です。

選択肢4の「建築物を居住用途として使用できる期間が規定されている」という記述が誤りで、法定耐用年数はあくまで減価償却の計算に用いる税務上の年数です。

選択肢4のポイント

選択肢4は、「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」による法定耐用年数に関する記述です。たしかに同省令では、建築物の構造・用途ごとに法定耐用年数が定められています。

ですがこれは、減価償却費を計算するために取得費を配分する年数であって、税務・会計上の区切りなんです。「居住用途として使用できる期間が規定されている」と建物の寿命のように扱っている点が誤りで、建築物を実際に使用できる物理的な期間を規定するものではありません。

例えば、鉄筋コンクリート造(住宅用)の法定耐用年数は47年ですが、これは「47年で壊れる」という意味ではなく、適切な維持保全をすれば超えて使い続けられます。ザックリ言えば、法定耐用年数=税金計算のための年数であって、建物の寿命ではないということです。試験では「寿命」「使用できる限界」とすり替える引っ掛けが定番なので、減価償却(税務)用、と割り切って覚えておくと迷いません。

覚え方

  • 法定耐用年数=税金(減価償却)の年数。建物の寿命ではない(維持保全しだいで超えて使える)
  • 空き家=約900万戸(令和5年住宅・土地統計調査)
  • 建設リサイクル法の特定建設資材=コンクリート/コンクリート+鉄/木材/アスファルト・コンクリートの4品目
  • 長期優良住宅=維持保全計画の策定が必要
Q.

法定耐用年数を過ぎたら、その建築物は使えなくなる?

いいえ。法定耐用年数は税務上の減価償却を計算するための年数であって、建物の使用可能期間(寿命)ではありません。適切な維持保全をすれば、法定耐用年数を超えて使い続けられます。

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出典

  • 建築技術教育普及センター「令和7年度 一級建築士試験 学科の試験 学科I(計画)問題」
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編集・解説

建築士試験 解説ノート編集部

建築業界の実務経験をもとに、一級・二級建築士試験の「計画」を過去問から整理しています。運営者情報

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