建築士試験 解説ノート

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令和7年度 一級建築士 計画 No.1を解説、フェーズフリーとユニバーサルデザインの取り違えを見抜くポイント

令和7年度 一級建築士試験 学科I(計画)No.1は、循環経済・ウォーカブル・アフォーダンスなど、建築と都市の計画にかかわる用語の問題です。

この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

この問題で問われていること

  1. 循環経済(サーキュラーエコノミー)と地域生活圏の形成
  2. ウォーカブルシティ(まちなかウォーカブル推進事業)
  3. アフォーダンス(環境が備え、行為を引き出す資質)
  4. フェーズフリーデザインの定義

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その4つの記述で問われている論点を整理したものです。

正解:選択肢4(これが最も不適当な記述)

フェーズフリーとは、日常時(平常時)と非常時(災害時)というフェーズの区別をなくす考え方です。ふだん使っているモノやサービスが、災害時にもそのまま役立つようにデザインする、という発想なんです。

選択肢4の「障害の有無、年齢や性別等の差によらず、安全かつ便利に利用しやすいようあらかじめ配慮」は、ユニバーサルデザインの定義です。用語と定義が入れ替わっているため、これが誤りなんです。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(適当) 循環経済(サーキュラーエコノミー)の実現に向け、建設リサイクルの高度化・ストック形成・インフラ長寿命化・空き家活用・二拠点居住等による地域生活圏の形成が目指されています。適当な記述です。
2 ○(適当) ウォーカブルシティは歩いて暮らせる都市づくりを目指すもので、「まちなかウォーカブル推進事業」等により、居心地が良く歩きたくなる空間づくりが進められています。適当な記述です。
3 ○(適当) アフォーダンスは、環境が備え、知覚者の行為を引き出す資質。知覚されるアフォーダンスは知覚者の性格・経験・能力・要求等によって異なる、という説明は適当です。
4 ×(不適当) 説明の中身はユニバーサルデザイン。フェーズフリーは平常時と非常時の垣根をなくす考え方で、用語と定義が入れ替わっています。

選択肢4の「フェーズフリーデザイン=誰もが安全・便利に使えるようあらかじめ配慮」という記述が誤りで、これはユニバーサルデザインの説明です。

選択肢4のポイント

選択肢4は「フェーズフリーデザイン」として、障害の有無・年齢・性別・体型・出身・身体や認知機能等の差によらず、安全・便利に利用しやすいようあらかじめ配慮されたもの、と説明しています。

ところが、この説明はユニバーサルデザインの定義なんです。フェーズフリーを「誰もが安全・便利に使えるよう配慮」と説明している点が誤りで、フェーズフリーは平常時と非常時(災害時)の垣根をなくす考え方を指します。平常時に使うものが、災害時にもそのまま役立つようにデザインするわけですね。

例えば、ふだんはベンチ、災害時はかまどになる「かまどベンチ」がフェーズフリーの代表例です。ザックリ言えば、ユニバーサルは「誰でも」、フェーズフリーは「いつでも」ということです。軸が「人の多様性」か「平常時/非常時」かで切り分けると、入れ替えはすぐ見抜けます。

覚え方

  • ユニバーサルデザイン=誰でも(人の多様性に配慮。年齢・障害の有無によらず使える)
  • フェーズフリー=いつでも(平常時/非常時の垣根なし。防災・災害の文脈ならこちら)
  • 循環経済=資源を循環/ウォーカブル=歩ける都市/アフォーダンス=行為を引き出す環境の資質
Q.

「平常時と非常時の区別をなくし、ふだん使うものが災害時にも役立つようにする」考え方を何という?

フェーズフリーです。利用者の多様性に配慮する「ユニバーサルデザイン」とは別の考え方です。

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出典

  • 建築技術教育普及センター「令和7年度 一級建築士試験 学科の試験 学科I(計画)問題」
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編集・解説

建築士試験 解説ノート編集部

建築業界の実務経験をもとに、一級・二級建築士試験の「計画」を過去問から整理しています。運営者情報

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