令和5年度 一級建築士 学科Ⅴ(施工)No.19は、内外装工事に関する問題です。
この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。
※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その4つの記述で問われている論点を整理したものです。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ×(誤り) | ALCパネル下地のモルタル塗りに富調合モルタルを使用した。富調合は乾燥収縮が大きくALCの表面を引きはがすため使用禁止。貧調合または専用下地モルタルを使用する。 |
| 2 | ○(正しい) | 特定天井の天井面構成部材等(照明設備等含む)の自重が20kg/m²以下であることを確認する。 |
| 3 | ○(正しい) | メタルカーテンウォール工事のファスナーはピアノ線で水平・垂直基準を設定して取り付ける。 |
| 4 | ○(正しい) | 夏期にコンクリート下地への塗装は材齢21日経過し十分乾燥していることを確認する。 |
選択肢1の「富調合の現場調合モルタルを使用した」という記述が誤りで、正しくは貧調合または専用下地モルタルを使用します。
選択肢1は、ALCパネル下地のモルタル塗りの調合に関する記述です。ALCパネル(軽量気泡コンクリート)は内部に気泡を多く含む軽量材料で、コンクリートに比べて表面強度が非常に低い素材なんですね。
富調合モルタルはセメント量が多く硬化収縮量も大きいため、収縮力がALCパネルの表面接着力を上回ると引きはがし破壊が生じます。だからALC面には強いモルタルではなく、収縮の少ない専用下地モルタルか貧調合・軽量モルタルを使うわけです。
選択肢1は「ALCの表面強度が低いことを考慮して、保水剤を添加した富調合の現場調合モルタルを使用した」としていますが、保水剤の添加自体はよくても富調合にすることが問題で誤りです。ザックリ言えば、ALC下地には富調合でなく貧調合・専用下地モルタル(収縮で剥離するため)ということです。
ALCパネル下地にモルタルを塗る場合、富調合モルタルを使用してよいか?
使用できません。富調合モルタルは収縮量が大きく、ALCの低い表面強度を超える引きはがし力が発生します。専用下地モルタルや貧調合モルタルを使用します。
特定天井の天井面構成部材等の自重の上限基準は?
20kg/m²以下です。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月
正解:選択肢1(これが誤っている記述)
ALCパネルは表面強度が低い素材です。富調合モルタル(セメント量が多い)は乾燥収縮が大きく、ALCパネルの表面を引きはがす方向に応力が働きます。ALC下地には収縮の少ない専用下地モルタルまたは貧調合・軽量モルタルを使用します。「富調合を使用した」という記述が誤りです。