建築士試験 解説ノート

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令和5年度 一級建築士 設備 No.17を解説、配電電圧と電線断面積に関する誤りを見抜くポイント

令和5年度 一級建築士 学科II(環境・設備)No.17は、電気設備に関する問題です。

この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

この問題で問われていること

  1. SPD(サージ防護デバイス)の役割
  2. 配電電圧と電線断面積の関係
  3. スターデルタ始動と始動電流
  4. 雷保護システムの引下げ導線(鉄骨構造体の利用)

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その4つの記述で問われている論点を整理したものです。

正解:選択肢2(これが最も不適当な記述)

電力は P=電圧×電流 で表されます。同じ容量(電力)を供給するなら、電圧が高いほど電流は小さくて済みます。電流が小さければ、電線も細く(断面積を小さく)できます。

選択肢2は「配電電圧が400Vよりも200Vのほうが、電線断面積を小さくできる」としていますが、これは逆です。電圧が高い400Vのほうが電流が小さく、電線断面積を小さくできます。送電で高電圧を使うのも、電流を抑えて電線を細く・損失を小さくするためです。よって不適当なんですね。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(適当) SPD(サージ防護デバイス)は、直撃雷・近傍雷による雷害から電気・電子機器を守るために設置する装置です。適当な記述です。
2 ×(不適当) 同一容量なら配電電圧が高い400Vのほうが電線断面積を小さくできます。200Vのほうが小さいとした記述は逆で、不適当です。
3 ○(適当) かご形三相誘導電動機の始動電流は、全電圧始動(直入れ)よりスターデルタ始動のほうが小さくなります。適当な記述です。
4 ○(適当) 鉄骨造の雷保護システムの引下げ導線は、地上部分の構造体の鉄骨を利用できます。適当な記述です。

選択肢2の「配電電圧が400Vよりも200Vのほうが、電線断面積を小さくできる」という記述が誤りで、電圧が高い400Vのほうが電線断面積を小さくできます。

選択肢2のポイント

選択肢2は、配電電圧と電線断面積に関する記述です。電力は P=電圧V×電流I で表されるので、同じ電力Pを供給するなら電圧Vを上げれば電流Iは下がるんですね。電圧を2倍にすれば電流は半分で済みます。

電線の太さ(断面積)は流れる電流の大きさで決まり、電流が大きいほど太い電線が必要です。だから電圧が高い400Vのほうが電流が小さく、電線断面積を小さくできます。送電線で高電圧を使うのも、電流を抑えて電線を細く・電力損失を小さくするためなんです。

選択肢2は「400Vよりも200Vのほうが電線断面積を小さくできる」としていますが、200Vは電圧が低く電流が大きくなるため、むしろ太い電線が必要で逆です。ザックリ言えば、電圧が高いほど電流が小さく、電線は細くできる(200V>400Vの断面積)ということです。

覚え方

  • 同一容量の供給=配電電圧が高いほど電流が小さく電線断面積を小さくできる(400V<200V)
  • SPD=雷サージ(直撃雷・近傍雷)から電気・電子機器を守る
  • スターデルタ始動=始動電流を直入れの約1/3に抑える
  • 雷保護の引下げ導線=鉄骨造は地上部分の構造体鉄骨を利用可
Q.

同じ容量を供給する場合、200Vと400Vでは、どちらが電線断面積を小さくできる?

400Vです。電圧が高いほど電流が小さくなり(P=V×I)、必要な電線断面積も小さくできます。200Vは電流が大きくなり、太い電線が必要です。

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出典

  • 建築技術教育普及センター「令和5年度 一級建築士試験 学科の試験 学科II(環境・設備)問題」
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編集・解説

建築士試験 解説ノート編集部

建築業界の実務経験をもとに、一級・二級建築士試験の「環境・設備」を過去問から整理しています。運営者情報

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