令和5年度 二級建築士試験 学科I(建築計画)No.5は、伝熱・断熱に関する問題です。
この問題では、5つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。
※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その5つの記述で問われている論点を整理したものです。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 総合熱伝達率は対流熱伝達率と放射熱伝達率の合計です。正しい記述です。 |
| 2 | ×(誤り) | 断熱材は水分を含むと熱伝導抵抗が小さくなります。「大きくなる」は誤りです。 |
| 3 | ○(正しい) | 構成・厚さが同じなら、断熱材を室内側・屋外側どちらに置いても熱貫流率は等しいです。正しい記述です。 |
| 4 | ○(正しい) | 外断熱は躯体の熱容量を活用しやすく、室温変動を小さくできます。正しい記述です。 |
| 5 | ○(正しい) | 防湿層を断熱層の室内側に設けるのは内部結露の防止に効果的です。正しい記述です。 |
選択肢2の「水分を含むと大きくなる」という記述が誤りで、断熱材の熱伝導抵抗は水分を含むと小さくなります。
選択肢2は「断熱材の熱伝導抵抗は、一般に、水分を含むと大きくなる」としていますが、ここが誤りです。水を含むと熱伝導率が大きくなり、熱伝導抵抗は小さくなって断熱性能が低下するんです。
断熱材は、内部に動かない空気をたくさん閉じ込めることで熱を伝わりにくくしていますね。ところが空気は熱を伝えにくいのに対し、水は熱を伝えやすい物質。断熱材が水を含むと空気の隙間を水が置き換え、熱伝導率が大きくなります。その逆数にあたる熱伝導抵抗は小さくなり、断熱性能が落ちるわけです。
誤りの核心は、水を含むと熱伝導抵抗が大きくなる(断熱が良くなる)とした点で、逆です。断熱材は濡れると効かない=熱伝導抵抗が小さくなると押さえましょう。
断熱材が水分を含むと、熱伝導抵抗はどうなる?
小さくなります(断熱性能が落ちる)。空気の隙間が水に置き換わるためです。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月(出題時点の知識・基準に基づく)
正解:選択肢2(これが誤っている記述)
断熱材が効くのは、内部にたくさんの空気の隙間(気泡)を含んでいるからです。そこに水が入ると、空気より熱を伝えやすい水が隙間を埋めてしまい、熱伝導率が大きくなります。その結果、熱の伝わりにくさを表す熱伝導抵抗は小さくなり、断熱性能が落ちます。
選択肢2は熱伝導抵抗が「大きくなる」としているので、向きが逆で誤りなんです。断熱材は水を含むと熱伝導抵抗が小さくなると押さえましょう。