令和4年度 二級建築士試験 学科III(建築構造)No.20は、建築材料として使用される木材に関する問題です。
この問題では、5つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。
※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その5つの記述で問われている論点を整理したものです。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 乾燥収縮率は、繊維方向より年輪の接線方向のほうが大きい。正しい記述です。 |
| 2 | ○(正しい) | 含水率が繊維飽和点以下では、膨張・収縮はほぼ含水率に比例する。正しい記述です。 |
| 3 | ×(誤り) | 木材の強度は繊維飽和点以下で乾くほど増大。「下回るとほぼ一定」は逆(一定なのは繊維飽和点以上)。 |
| 4 | ○(正しい) | 木材の基準強度の大小は、一般に曲げ>引張り>せん断。正しい記述です。 |
| 5 | ○(正しい) | 単板積層材(LVL)は、単板の繊維方向を互いにほぼ平行にして積層接着したもの。正しい記述です。 |
選択肢3は、木材の強度が繊維飽和点を下回るとほぼ一定とする点が誤りで、正しくは下回る(乾く)ほど増大し、繊維飽和点以上でほぼ一定です。
選択肢3は「木材の強度は、一般に、含水率の減少に伴い増大し、繊維飽和点を下回るとほぼ一定となる」としています。含水率と強度の関係が論点です。
木材の中の水分には、細胞壁の中の「結合水」と、細胞のすき間にある「自由水」があります。含水率が高い状態から乾いていくと、まず自由水が抜け、繊維飽和点(約30%)で自由水がなくなります。ここまでは強度はほぼ変わりません。
繊維飽和点を下回ってから、結合水が抜けていくにつれて細胞壁が締まり、強度が増大していきます。つまり「乾くほど強くなる」のは繊維飽和点以下の話です。選択肢3は「下回ると一定」と逆にしているため誤りです。繊維飽和点(約30%)以下で乾くほど強度増大/以上ではほぼ一定と押さえましょう。
木材の強度は、含水率が繊維飽和点を下回るとどうなる?
下回ってから、乾くほど(含水率が下がるほど)強度が増大します。ほぼ一定なのは繊維飽和点(約30%)以上の範囲です。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月(出題時点の知識・基準に基づく)
正解:選択肢3(これが最も不適当な記述)
木材の強度は、含水率が繊維飽和点(約30%)以下になると、乾くほど(含水率が下がるほど)増大します。逆に、繊維飽和点より含水率が高い範囲では、強度はほぼ一定です。
選択肢3は「含水率の減少に伴い増大し、繊維飽和点を下回るとほぼ一定となる」としていますが、関係が逆です。下回ってから(乾いてから)強度が増えるんですね。木材は繊維飽和点(約30%)以下で乾くほど強度が増すと押さえましょう。