建築士試験 解説ノート

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令和5年度 二級建築士 構造 No.19を解説、炭素繊維巻きは靭性向上を見抜くポイント

令和5年度 二級建築士試験 学科III(建築構造)No.19は、既存建築物の耐震診断・耐震補強等に関する問題です。

この問題では、5つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

この問題で問われていること

  1. RC造の第2次診断法
  2. 耐震スリットのはたらき
  3. 開口閉鎖・壁厚増しによる補強
  4. 炭素繊維巻き付け補強の目的
  5. 木造の一般診断法

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その5つの記述で問われている論点を整理したものです。

正解:選択肢4(これが最も不適当な記述)

既存のRC柱に炭素繊維シートを巻き付ける補強は、柱を外側からぐるりと拘束する補強です。柱の周りを締め付けることで、もろいせん断破壊を防ぎ、ねばり強さ(靭性、変形能力)を高めます。つまり主な目的はせん断耐力や靭性の向上なんです。

選択肢4は「曲げ耐力の向上を目的」としているので誤りなんです。曲げ耐力を上げたいなら、柱の縦方向に主筋を増やす補強が必要です。炭素繊維巻きはせん断耐力・靭性の向上と押さえましょう。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(正しい) RC造の第2次診断法は、柱・壁の強さと変形能力をもとに耐震性能を判定します。正しい記述です。
2 ○(正しい) 耐震スリットは、既存壁が柱・架構に悪影響を及ぼすのを防ぐ構造目地です。正しい記述です。
3 ○(正しい) 開口閉鎖や壁厚増しは、保有水平耐力を増す強度型の補強に適しています。正しい記述です。
4 ×(誤り) 炭素繊維巻きはせん断耐力・靭性の向上が目的です。「曲げ耐力の向上」は誤りです。
5 ○(正しい) 木造の一般診断法は、壁・柱の耐力に低減係数を乗じて保有耐力を算定します。正しい記述です。

選択肢4の「曲げ耐力の向上を目的とした補強」という記述が誤りで、炭素繊維巻きはせん断耐力・靭性(変形能力)の向上が目的です。

選択肢4のポイント

選択肢4は、既存RC柱の炭素繊維巻き付け補強を「曲げ耐力の向上が目的」としていますが、ここが誤りです。主な目的はせん断耐力や靭性(変形能力)の向上なんです。

炭素繊維シートを柱の外周にぐるりと巻くと、帯筋を増やしたのと同じように柱を横方向から締め付け(拘束し)ますね。これにより、もろいせん断破壊を防ぎ、変形してもねばり強く耐える靭性を高められます。外周に巻くだけでは縦方向の主筋は増えないので、曲げ耐力はあまり上がりません。曲げ耐力を上げたいなら柱の縦方向に主筋を増やす補強が必要です。

誤りの核心は、補強の目的を曲げ耐力の向上とした点です。ザックリ言えば、「巻き付け補強は柱を締めて粘らせる=せん断・靭性向上」ということです。炭素繊維巻きはせん断耐力・靭性の向上と押さえましょう。

覚え方

  • 炭素繊維巻き付けは柱を拘束してせん断耐力・靭性を上げる(曲げ耐力向上は縦主筋増し)
  • RC造の第2次診断法は柱・壁の強さと変形能力で判定
  • 耐震スリットは既存壁が柱・架構に悪影響を及ぼすのを防ぐ構造目地
  • 開口閉鎖・壁厚増しは保有水平耐力を増す強度型の補強
Q.

既存RC柱の炭素繊維巻き付け補強は、何を向上させる?

せん断耐力や靭性(変形能力)です。曲げ耐力の向上が主目的ではありません。

出典

  • 建築技術教育普及センター「令和5年度 二級建築士試験 学科の試験 学科III(建築構造)問題」
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編集・解説

建築士試験 解説ノート編集部

建築業界の実務経験をもとに、一級・二級建築士試験の「構造」を過去問から整理しています。運営者情報

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