建築士試験 解説ノート

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令和6年度 二級建築士 構造 No.23を解説、炭素量が多いと溶接性は低下を見抜くポイント

令和6年度 二級建築士試験 学科III(建築構造)No.23は、鋼材に関する問題です。

この問題では、5つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

この問題で問われていること

  1. 炭素含有量と溶接性の関係
  2. 軟鋼の炭素量
  3. SN400とSN490のヤング係数
  4. 引張強さと温度の関係
  5. 鋼材の密度

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その5つの記述で問われている論点を整理したものです。

正解:選択肢1(これが最も不適当な記述)

鋼材は、一般に、炭素含有量が多くなると、溶接性が低下します。炭素が多いと鋼が硬く脆くなり、溶接時の急冷で割れ(溶接割れ)が生じやすくなるためです。構造用鋼材に炭素量の少ない軟鋼が使われるのは、強度と溶接性のバランスをとるためです。

選択肢1は「溶接性が向上する」としているので、逆で誤りなんです。炭素含有量が多いと溶接性は低下すると押さえましょう。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ×(誤り) 鋼材は炭素含有量が多くなると、溶接性が低下します。「向上する」は誤りです。
2 ○(正しい) 軟鋼は炭素量が約0.15〜0.3%の炭素鋼で、建築用の構造用鋼材として用いられます。正しい記述です。
3 ○(正しい) 常温では、SN400材とSN490材のヤング係数は同じです。正しい記述です。
4 ○(正しい) 鋼材の引張強さは、一般に200〜300℃程度で最大となり、それ以上で急激に低下します。正しい記述です。
5 ○(正しい) 鋼材の密度は、コンクリートや木材よりも大きくなります。正しい記述です。

選択肢1の「炭素含有量が多くなると溶接性が向上する」という記述が誤りで、溶接性は低下します。

選択肢1のポイント

選択肢1は「鋼材は、一般に、炭素含有量が多くなると、溶接性が向上する」としていますが、ここが誤りです。鋼材は炭素含有量が多くなると硬く脆くなり溶接割れが生じやすくなるため、溶接性は低下するんです。

炭素は鋼の強さを高める一方で、溶接のしやすさを損ないますね。炭素含有量が増えると鋼は強く硬くなりますが粘りがなくなって脆くなります。溶接は鋼を高温で溶かして急冷する作業なので、炭素が多い鋼は溶接部が硬く脆くなり割れが生じやすくなる。だから溶接して組み立てる建築用の構造用鋼材には炭素量の少ない軟鋼が使われます。強度と溶接性はトレードオフなんです。

誤りの核心は、炭素が多いと溶接性が向上するとした点で逆です。炭素含有量が多いと溶接性は低下する(強いが溶接しにくい)と押さえましょう。

覚え方

  • 炭素含有量が多いと強くなるが溶接性は低下(硬く脆く溶接割れしやすい)
  • 軟鋼は炭素量約0.15〜0.3%の炭素鋼で構造用鋼材に用いる
  • SN400とSN490のヤング係数は同じ(強度によらず約205,000N/mm²)
  • 鋼材の引張強さは200〜300℃で最大、それ以上で急激に低下
Q.

鋼材の炭素含有量が多くなると、溶接性はどうなる?

低下します。炭素が多いと硬く脆くなり、溶接割れが生じやすくなるためです。

出典

  • 建築技術教育普及センター「令和6年度 二級建築士試験 学科の試験 学科III(建築構造)問題」
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編集・解説

建築士試験 解説ノート編集部

建築業界の実務経験をもとに、一級・二級建築士試験の「構造」を過去問から整理しています。運営者情報

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