用途制限(法48条・別表第二)は一級建築士 法規のNo.15あたりで、過去10年ほぼ毎年出ます。問われるのは「ある用途を、ある用途地域に新築できるか」の可否で、引っ掛けは建てられる/建てられないの境界をずらした選択肢が多いです。表を丸暗記するより、よく出る境界と別表以外の特別扱い(法51条・法91条)を押さえます。
| 用途 | 建てられない地域・条件 |
|---|---|
| 大学・高等専門学校・専修学校 | 工業地域・工業専用地域では不可(幼稚園〜高校も同じ) |
| 住宅・共同住宅 | 工業専用地域では不可 |
| 劇場・映画館・演芸場 | 準住居地域では客席200m²未満まで(近隣商業・商業・準工業は規模制限なし) |
| 消防署・警察署・公衆便所等 | 公益上必要な施設で、多くの地域で建てられる |
卸売市場・火葬場・と畜場・汚物処理場・ごみ焼却場・産業廃棄物処理施設などは、用途地域で判断するのではありません。
これらは、都市計画でその敷地の位置が決定しているものでなければ新築・増築できません(法51条)。用途地域で建てられそうでも、別枠の扱いです。ただし、特定行政庁が都市計画審議会の議を経て支障がないと認めて許可した場合は例外です。
1つの敷地が2つ以上の用途地域にまたがることがあります。この場合の用途制限は、敷地の過半が属する用途地域の制限が、敷地全体に適用されます(法91条)。地域ごとに分けて適用するのではありません。
過去10年で繰り返された論点を、正しい記述(○)と引っ掛け(×)で並べます。
| 記述 | ○× |
|---|---|
| 大学・高等専門学校・専修学校は、工業地域・工業専用地域では建てられない | ○ |
| 住宅・共同住宅は、工業専用地域では建てられない | ○ |
| 卸売市場・火葬場等は、都市計画でその敷地の位置が決定していなければ新築できない(法51条) | ○ |
| 敷地が2以上の用途地域にわたるとき、過半が属する地域の制限が敷地全体に適用される(法91条) | ○ |
| 大学は、工業地域に新築できる | × |
| 劇場・映画館は、近隣商業地域では客席200m²未満まで建てられる | × |
| 敷地が2以上の用途地域にわたるとき、地域ごとにその部分の制限が適用される | × |
×を正しく直すと、大学は工業地域・工業専用地域では建てられない/劇場の客席200m²未満の制限は準住居地域(近隣商業は規模制限なし)/2以上の用途地域にわたる敷地は過半の地域の制限が全体に適用される、です。
用途制限は、別表第二の境界と法51条・法91条から毎年問われています。正解番号は建築技術教育普及センターの公表正答によります。
| 年度 | No. | 正解 | 論点/解説 |
|---|---|---|---|
| 令和7年(2025) | 15 | 2 | 用途制限(別表第二・法51条) |
| 令和6年(2024) | 15 | 1 | 用途制限 |
| 令和5年(2023) | 15 | 4 | 用途制限 |
| 令和4年(2022) | 15 | 3 | 用途制限 ※解説は順次追加予定 |
| 令和3年(2021) | 16 | 4 | 都市計画区域内の用途制限 ※解説は順次追加予定 |
| 令和2年(2020) | 15 | 1 | 用途制限 ※解説は順次追加予定 |
| 令和元年(2019) | 15 | 1 | 用途制限 ※解説は順次追加予定 |
| 平成30年(2018) | 15 | 2 | 用途制限 ※解説は順次追加予定 |
| 平成29年(2017) | 15 | 2 | 用途制限 ※解説は順次追加予定 |
| 平成28年(2016) | 17 | 2 | 用途制限 ※解説は順次追加予定 |
大学は、工業地域に新築できる?
できません。大学・高等専門学校・専修学校などは工業地域・工業専用地域では建てられません。幼稚園〜高校も同じです。
火葬場は、用途地域で建てられる地域なら都市計画決定がなくても新築できる?
できません。卸売市場・火葬場・産廃処理施設などは、都市計画でその敷地の位置が決定していなければ新築・増築できません(法51条)。特定行政庁の許可による例外はあります。
敷地が2つの用途地域にわたるとき、用途制限はどちらの地域に従う?
敷地の過半が属する用途地域の制限が、敷地全体に適用されます(法91条)。地域ごとに分けて適用するのではありません。
出典・参考
※ このページの確認日:2026年6月
まちがえやすいポイント
大学などの学校は工業地域・工業専用地域では建てられません。「大学は工業地域に建てられる」は誤りです。住宅も工業専用地域では建てられません。
卸売市場・火葬場・産廃処理施設などは、用途地域だけでは判断せず都市計画でその位置が決定していることが必要です(法51条)。2以上の用途地域にわたる敷地は過半の地域の制限が全体に及びます。